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松嶋菜々子さん主演のドラマ「女の勲章」の実在モデルは誰かいうと、上田安子さんと近藤年子さんです。
上田安子さんは学校を作って、立体裁断技術を導入したり、日本初のファッションショーを開いた草分け的存在。
近藤年子さんは学校とお店を作って、関西ファッションブランドを盛り上げていった女性で、原作者の山崎豊子さんが作家になる前から仲良しでした。
実在モデルの上田安子さんと近藤年子さんは、まさに「女の勲章」という言葉が当てはまる2人ですね。ただ、小説はドロドロの愛憎劇といったフィクション部分も多く、本人たちが意図しないイメージを抱かれてしまったことも。
4月15日・16日21:00二夜連続放送されるドラマ「女の勲章」は、戦後間もないファッション業界を舞台に、したたかに生きる女と男を描く、不朽の名作。愛と欲望と策略が渦巻く物語です。
どことっても絵になる街・パリもロケ地として撮影されました。パリは物語で重要な意味を持ちますが、おしゃれな街並みにも注目です。
目次
●ドラマ「女の勲章」の実話モデル 上田安子
■生まれ
故・上田安子さんは大阪の堺市西区出身・1906年4月9日生まれ。日本人ファッションデザイナーの草分け的存在です。
■研究所を開く
商家の娘が多く通った夕陽丘高女に進学。登山に夢中になったのですが登山服がダサイと感じて自作したことでファッションに興味を持ちます。
卒業後、伊東衣服研究所で学ぶと、1941年35才の頃に服飾研究所を創設します。
■研究所から学校へ
途中戦争の影響もあり中断しますが、戦後に研究所は再開して1948年42才の頃に「上田安子文化学院」を設立。
翌1949年には大丸の顧問デザイナーとなり、1953年にはあのクリスチャン・ディオールのもとで学ぶと、何度もフランスに行くようになります。(「女の勲章」でもフランスは重要な舞台)
「上田安子文化学院」は、「上田安子服飾学院」「上田安子服飾専門学校」と変わっていき、1982年に「上田学園」を設立して理事長になっています。1996年9月7日に90才で亡くなりました。
「上田学園」は現在も健在です!
上田学園コレクション。
ブランド LAMINUCHブランド大賞を受賞した衣装。
音と凄い衣装にあっていて良かったー!本当にLAMINUCHを着れて良かったなー。。未来感、たっぷり。本当に、おめでとうございます!#上田安子#上コレ#グランフロント#LAMINUCH pic.twitter.com/NwIev8OVxU
— 柳春奈(yanagi haruna)☺︎ (@harupon0930) 2017年1月23日
■スカートを日本に広めた
故・上田安子さんは、着物の延長だった日本の洋服に革命を起こしました。
立体裁断技術の導入です。
すると結果的に、オーガンディを張って膨らませたスカートが、全国に広まりました。
■日本初のファッションショー
故・上田安子さんは、日本初のファッションショーを開催した人でもあります。モデルは踊り子でした。オートクチュール技術を日本に持ってきたのも故・上田安子さんです。
故・上田安子さんはまさの日本ファッションのパイオニアですね。
■山崎豊子と不仲に
「女の勲章」の実在モデルになった上田安子さん。しかしフィクションのドロドロ愛憎劇の印象が強かったのか、上田安子さんもそういう人だと世間から思われていまったのかきっかけで、上田安子さんはショックを受け山崎豊子さんと距離を置き不仲になってしまいました。
それでも山崎豊子さんを批判することはありませんでした。現在のワイドショーみたいに取材越しにバッシングもなしです。時間が経つとともに不仲は解消され、関係は修復したそうです。よかった。
●ドラマ「女の勲章」の実話モデル 近藤年子
■生まれ
近藤年子さんは大阪の船場で、貿易商の家で6月に生まれました。
■学校とお店を開く
戦後、空襲で焼け残った家の2階に、近所の若い女子を集めて「洋裁塾 兼 店舗」を立ち上げます。その後、進駐軍の成人女性らのドレスを縫いながら、デザイナーとして自立することに。
すごく行動力のある人なんですね。
■ブランド設立
近藤年子さんはファッションブランド「TOSSY(トッシー)」を設立。自分の名前からとったブランド名みたいですね。
「TOSSY」は、
・大阪・平野町にオーダー店
・梅田新道にプレタポルテ店
・阪神百貨店に出店
そして大阪だけでなく東京の代官山にも出店するなど、関西ファッションを牽引する存在でした。※お店は現在すべて閉店しています。
■現在は?
90才で引退して現在は、社団法人「総合デザイナー協会」の参与としてファッションに関わっています。現役だった年数はなんと60年間!90才まで現役ってすごい元気ですよね。
近藤年子さん曰く「ずっと自分の好きなことをしてきました」と。羨ましい。
最後の作品は、自分のために3ヵ月がかりで死装束としてヒョウ柄のドレスを作りました。寂しい服ではなく、あえてオシャレなものにしたそう。
引退してからも創作意欲は止まらず。生花でドレスを作ったりしてます。急に思い立って、周りが慌てて準備したりするそう。思い立ったらすぐ行動するタイプな印象です。2016年96才の時もドレスを作りました。始めて2時間たっても疲れを見せずシャキっと元気だからスゴイ。周りまで元気になるらしいです。
引退後は、読書や音楽を楽しみたいと語っていたものの、やっぱり服作りは止められないん止められないんですね。
■山崎豊子と親交あった
「女の勲章」の原作者・山崎豊子さんは、毎日新聞社の記者から作家になった人。
近藤年子さんは山崎豊子さんが記者時代、毎週末に仕事場で取材を受けたそうです。ファッション界の最新情報や、近藤年子さん自身の生い立ちも語ったんだとか。仕事を通じて仲良くなり「おとよさん」「こんちゃん」と呼び合う仲だったとか。
山崎豊子さんが小説家として独立したあとも2人の親交は続きました。
■実在モデルになって家族は意外と大変だった
「女の勲章」の実在モデルに近藤年子さんが選ばれると注目されました。
「女の勲章」は、愛と欲望と策略が渦巻くドロドロの物語。近藤年子さんを参考にしただけで小説はあくまでフィクションですが、世間は「近藤年子=大庭式子」という同じイメージを抱いたようで。
近藤年子さん自身はブランドの宣伝になったのですが、家族の心中複雑だったようです。
「女の勲章」の実在モデル、上田安子さんと近藤年子さんを紹介しました。
最後に、ドラマ「女の勲章」のキャストとあらすじを紹介します。
●ドラマ「女の勲章」キャスト
■聖和服飾学院
・デザイナー/院長:大庭式子(松嶋菜々子)
・理事:八代銀四郎(玉木宏)
・講師:津川倫子(ミムラ)
・講師:坪田かつ美(相武紗季)
・講師:大木富枝(木南晴夏)
■式子の大学の師弟関係
・フランス文学・大学教授:白石庸介(長塚京三)
・経和新聞・記者:曾根英生(小澤征悦)
■三和織物
・社員:野本敬太(駿河太郎)
■関西デザイナー協会
・会長:安田兼子(浅野ゆう子)
■大庭家
・女中:キヨ(江波杏子)
●ドラマ「女の勲章」あらすじ
■第一夜
大阪・船場の裕福な羅紗問屋の娘として生まれた大庭式子(松嶋菜々子)は、戦争で家族も家も失ってしまう。焼け野原の中、これからは洋服、婦人服の時代が来ると感じた式子はミシンと共に立ち上がり、洋裁教室を開く。それから数年、式子の洋裁教室は人気を呼び、三人の弟子・倫子(ミムラ)、かつ美(相武紗季)、富枝(木南晴夏)と共に、甲子園に服飾学校の設立に乗り出そうとしていた。そこに、東大卒の美男子・八代銀四郎(玉木宏)が現れ、自分を雇うよう迫る。開校を目前に控えた式子の前に関西デザイナー協会会長・安田兼子(浅野ゆう子)が立ちはだかり…。
様々な野望、欲望がうずまくなか、式子を助けながら次第に学校の主導権を握っていく銀四郎、そして3人の弟子たち……欲と策略の愛憎劇の幕が開こうとしていた。
引用:http://www.fujitv.co.jp/kunsho/plot.html
■第二夜
成功への階段を上り始めた式子は、大阪から、東京、そしてパリへとファッション業界を舞台に羽ばたいていこうとしていた。しかし一方で、銀四郎(玉木宏)と関係を持つ女弟子たち(ミムラ、相武紗季、木南晴夏)への嫉妬心で心身ともに疲弊していた。そんな折、銀四郎の恩師・大学教授の白石(長塚京三)が、式子の疲れた心に寄り添い包み込む存在となっていき…。
ファッションデザイナーとして成功への階段を上りゆく式子の未来に待ち受けている運命とは…
引用:http://www.fujitv.co.jp/kunsho/plot.html
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