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滝沢秀明さん主演のドラマ「家族の旅路」のキャスト・あらすじと、原作小説を読んだので最終回結末までネタバレします。
ドラマ「家族の旅路」の原作は、小杉健治さんの小説「父と子の旅路」です。2005年にも橋爪功さん・中村俊介さん主演でドラマ化された感動作品。
弁護士の浅利祐介(滝沢秀明)は「30年の一家殺人事件」の唯一の生き残りだが、その犯人とされる死刑囚の柳瀬光三(遠藤憲一)の再審弁護を担当することに。事件を調べるうち光三の無罪を確信するが、証明するには行方不明の1人息子・光男の居場所がカギ。そして真犯人とは・・
キャスト・あらすじと、原作小説を読んで最終回結末までネタバレするので、ドラマ「家族の旅路」に興味のある人は参考になったら幸いです。
目次
●ドラマ「家族の旅路」キャスト
■浅利家■
● 弁護士:浅利 祐介(滝沢秀明)
30年前の大富家惨殺事件で両親と祖父を殺され、叔母の養子となった。弁護士になったが、皮肉にも30年前の犯人とされる柳瀬光三の弁護を引きうけることに。
● 実母:大富 晴香【死亡】
● 実父:大富 康彦【死亡】
● 叔母(晴香の姉):浅利 由美子(いしのようこ)
● 叔父:浅利 孝信(益岡 徹)
■死刑囚■
● 柳瀬 光三(遠藤憲一)
30年前に胃癌を患い、幼い一人息子・光男を預けようと奔走するなか、成り行きで大富家3人を殺して死刑囚に。
● 息子:光男【行方不明】
■河村家件■
● 河村 礼菜(谷村美月)
実父である柳瀬光三の再審を依頼した。
● 実母(光三の元嫁):河村 あかね(横山めぐみ)
自由奔放な男性関係の人生を送ってきたが、末期がんで余命わずか。
● 再婚した父:河村 真二(小林 タカ鹿)
あかねとは中学からの腐れ縁。
● 祖父:花木 重彦(目黒 祐樹)
● 祖母:花木の嫁【死亡】
■祐介が勤める弁護士事務所
● 所長:澤田 陽一郎(片岡鶴太郎)
冤罪事件を数多く手掛ける熱血漢で、祐介が尊敬する理想の弁護士。
■医師
● 桜井 良太(長谷川 純)
■元刑事
● 松枝 栄二郎(石丸 謙二郎)
30年前に柳瀬光三を逮捕したが、退職後の現在、本当に犯人だったか疑問に感じてる。
■弁護士
● 津村 誠治【死亡】
柳瀬光三の再審請求を3度担当した
● 津村 佐智子(朝加 真由美)
●ドラマ「家族の旅路」あらすじ
「柳瀬光三に会ってください。――あなたのご両親を殺した男です」
その女性の言葉に、若手弁護士・浅利祐介(滝沢秀明)は凍りついた。東京・下町にある法律事務所。祐介は、所長の澤田陽一郎(片岡鶴太郎)の下、忙しく働く毎日を送っていた。 ある日、事務所に河村礼菜(谷村美月)という女性が祐介を訪ねて来る。彼女はなぜか祐介の素性を知っていた。 実は、祐介の両親と祖父は30年前、柳瀬光三(遠藤憲一)という男に殺害され、赤ん坊だった祐介はその後、母親の姉夫婦に養子として育てられてきたのだった。裁判では、柳瀬は無実を訴えたが、 3度もの再審請求を棄却され、現在死刑囚として服役中の身となっていた。
祐介に対し礼菜は、驚くべき依頼をする。「あなたでなければできない仕事だから」柳瀬は、末期がんで余命わずかな礼菜の母・河村あかね(横山めぐみ)の最初の夫だったという。 柳瀬との間には、事件を境に行方不明になっている光男という子どもがいて、礼菜は母のために光男の行方を捜したいと願っていた。 事件の生き残りである祐介なら柳瀬から真実を聞き出すことが出来るはず――それが礼菜の考えだった。 死刑囚への面会は、再審を担当する弁護人に限られる。礼菜が言っているのは、被害者遺族である祐介に柳瀬の再審弁護人に なってほしいということと同じであった。「冗談じゃない!」祐介は礼菜を追い返してしまう。
長年にわたり親の仇と信じていた男の弁護など出来るものか… 一度はそう思った祐介だったが、そんな彼に江戸っ子気質のベテラン弁護士・澤田は声をかける。 「だがな祐介、弁護士である以上、感情に流されて可能性をつぶすことは断じて許されねえぞ。それが親を殺した相手であってもだ」 その言葉に我に返る祐介。弁護士としての本分を思い出し、祐介は事件に向き合う決意をする。
祐介は、改めて礼菜に事件の話を聞く。初めて耳にする事件の犯人・柳瀬の背景。祐介の育ての母・由美子(いしのようこ)は、殺害された実母の姉だ。 事件を追うことは、本当の息子のように育ててくれた今の両親を苦しめることになりはしないか…その心は乱れるのだった。
ある日の、東京中央拘置所。そこに祐介の姿があった。 柳瀬の独房に、刑務官の声が響き渡る。
「柳瀬、面会だ」引用:http://tokai-tv.com/kazokunotabiji/story/
●「家族の旅路」原作ネタバレ ドラマ最終回の結末は?
ドラマ「家族の旅路」の原作は、小杉健治さんの小説「父と子の旅路」です。2005年にも橋爪功さん・中村俊介さん主演でドラマ化された感動作品。
原作を読んだので最終回の結末までネタバレします。
■原作ネタバレ1.礼菜に兄がいた?
河村礼菜の母・あかねは末期がんで余命わずか。礼菜はあかねに死んだ父親(ヤ〇ザ)の名前が知りたくて尋ね、河村真二だとわかる。
礼菜は、自分に無関心で自由奔放に好き勝手生きてきた母親が末期がんになったときいい気味だと思ったが、母が死んだら身寄りのない1人ぼっちになると気付き泣いた。
礼菜に冷たかったあかねも末期がんになった現在は人が変わり優しくなったし、誰かに会いたがったる様子。
礼菜は、あかねが17才で家出して絶縁した両親に会いたがってるのでは?と思い、あかねの父親が花木重彦を訪ね、あかねに会ってほしいと頼むが、よほど嫌ってるようで断られる。
花木重彦曰くあかねが会いたがってるのは捨てた子供らしい。礼菜の父・河村真二は実は再婚相手で、前夫との間に子供ができたあと、旦那と子供を捨てて真二と一緒になっていた。
異父兄がいると知って驚く礼菜。
しかし兄は行方不明で居場所を知ってるのは前夫の柳瀬光三で、30年前の大富一家殺人事件で犯人で死刑囚として服役中だという。
■原作ネタバレ2.30年前の「大富家一家殺人事件」
30年前の山口。
柳瀬光三は寡黙なイケメンで、夜の店で、東京から山口に来たあかねから気に入られ交際し、妊娠が発覚して結婚。子供が生まれて「光男」と名付けて幸せいっぱいだった。
しかし、あかねは子育てをまったくせず夜の仕事に復帰し遊び歩き、光男の面倒はすべて柳瀬光三がみるようになった。光男が生まれて半年後、あかねは真面目で退屈な柳瀬光三に飽きて、子供を捨てて出て行ってしまう。
しかも柳瀬光三は胃癌が見つかり、光男の面倒を見ていくのは難しくなった。自分はきっと死ぬし入院したら生活費にも困る・・・誰かに光男を育ててもらわないと。
柳瀬光三はあかねを探しに博多の繁華街を探し回るが見つからない。屋台の親父によると、あかねは東京から来た腐れ縁の男・河村真二と一緒だが、ヤ〇ザに追われてた」という。
屋台の親父は柳瀬光三を心配して、「子供を望む夫婦に、秘密裡に赤ん坊を斡旋している岐阜の産婦人科医」に光男を預けたほうがいいと勧められる。
柳瀬光三は他人より身内に育ててもらったほうがいいと考え、光男を連れて東京にいるあかねの両親を訪ねることにした。結婚時にメモしていた杉並区阿佐ヶ谷の住所にある「花木家」だ。
杉並区阿佐ヶ谷の住所につくと表札が「花木」ではなく「大富」だった。花木家は半年前に引っ越したと聞きがっくり。子連れで疲弊した柳瀬光三を見かねた大富家の主人は、家に泊まらせてくれた。大富家には光男の同じ生後半年の子供、祐介がいた。
翌日3月4日、花木家の引っ越し先が八王子だとわかり、柳瀬光三は光男を大富家にいったん預け出かけた。しかし、あかねの父・花木重彦に会って事情を話しても、あかねとは絶縁したから光男も赤の他人だから関係ないと断られる。
柳瀬光三は岐阜の産婦人科に行く決意をするが、財布を落としてしまい、交番で1000円借りて大富家に帰る。岐阜に行くためには大富家にお金を借りるしかない。
■大富家一家殺人事件
そのあと、大富家から近所の蕎麦屋に出前の注文が入った。蕎麦屋が配達にいくと、大富家が赤ん坊1人以外全員殺されていた。
大富康彦・・・死亡
大富晴香・・・死亡
祖父・・・死亡
祐介(生後半年)は、大富晴香の姉夫婦に引き取られた。
事件から10日後、目撃情報や状況証拠などから犯人が柳瀬光三だと特定。故郷の広島にいたところを松枝刑事が逮捕した。そのとき子供は連れていなかった。
また動機が謎だった。柳瀬光三はなぜ一晩泊めてくれた一家を殺したのか?柳瀬光三は子供をある人に預けたというがそれが誰なのかは頑なに口を閉ざした。
■原作ネタバレ3.礼菜の兄は誰?
■松枝元刑事は無実だと思っていた
現在、河村礼菜はとにかく異父兄の居場所を知りたいので、30年前の「大富家一家殺人事件」の新聞記事をしらべる。裁判で再審請求を3度担当した津村誠治はすでに死んでいたので、元刑事の松枝を訪ねた。
松枝元刑事は柳瀬光三を逮捕はしたとき「犯人ではない」と本能的に感じていた。子煩悩な柳瀬光三が、自分の子供がいる前で3人を殺したりするだろうか?捜査関係者たちも違和感を抱いていたが、柳瀬光三が「私がやりました」は自供した。
しかし取り調べの供述もあやふやな点が多かった。起訴されても子供が行方不明のままだから事件に解決ムードはなかった。柳瀬光三は子供の居場所がわかれば警察が押しかけて、殺人犯の子供として一生肩身の狭い思いをするから探さないでほしいということだった。
柳瀬光三は津村弁護士が死んだあと裁判を戦う気力を失っていた。礼菜は柳瀬光三に会いたいが、死刑囚に会えるのは親族か弁護士だけ。
しかし大富家の唯一生き残った子供・祐介が弁護士になってるという。松枝元刑事は自分の家族を親を殺したかもしれない柳瀬光三の弁護をするわけがないと反対するが、礼菜は再審の弁護を頼むことにした。柳瀬光三が無実なら真犯人は別にいたことにもなる。
■祐介の決断
礼菜が祐介に会って事情を話し、再審の弁護を頼むと被害者遺族である祐介は「そんなことできるわけがない」と断る。しかし光三が無実の可能性が高く、救えるのは被疑者の子供である自分しかいないと知り、尊敬する澤田弁護士にも相談した。
祐介は悩んだすえ、事件後に自分を引き取って育ててくれた養父・浅利孝信にも話し、弁護を引き受けることにした。
■原作ネタバレ4.祐介が柳瀬光三と接見
■津村弁護士の裁判資料
礼菜と祐介は、亡くなった津村弁護士の自宅を訪ね、嫁の佐智子から裁判資料ダンボール2箱分を提供してもらった。
その資料を見ると、凶器の包丁は当初、大富家のものということだったが外部から持ち込まれたと判明。また、事件前日に池袋の「横光刃物店」でサングラスの男が凶器とみられる包丁を購入していたが、そのとき柳瀬光三は山口から東京へ移動中だったので包丁を購入できない。
■浦里牧師
祐介は、柳瀬光三の刑務所内の暮らしを知る浦里牧師を訪ねた。浦里牧師も津村弁護士と同じように、無実だと信じていた。浦里牧師によると、柳瀬光三は現場に置き去りにした赤ん坊の祐介のことをずっと気にしていたという。
■現在の柳瀬光三
柳瀬光三は30年前、胃癌で死ぬと思って光男を預ける先を探して奔走したわけだが、手術は成功して生き延びた。だから光男に会いたいと思い無実を主張してきた。光男の成長した姿を人目見て死にたい。
そんなある日、浦里牧師から祐介が再審の弁護を引き受けたと知り、柳瀬光三は号泣する。
■松枝元刑事
祐介は、松枝元刑事に会いに行った。鍵を握るのはやはり光男の居場所だという。柳瀬光三が「私がやりました」と自供した理由は、光男の居場所を捜索されるのを防ぐためだったと考えられる。
警察は「子供を望む夫婦に、秘密裡に赤ん坊を斡旋している岐阜の産婦人科医」も捜査したが、柳瀬光三は光男を預けていなかった。もしかしたら光男は死んでいるのかも?
しかし光男が死んでいたら、柳瀬光三が子供の居場所を隠す必要はないから、きっと光男は生きているはずだ。ただもし光男が見つかってもそれが無実の証明になるだろうか。
■祐介が柳瀬光三に会う
祐介は、東京拘置所の柳瀬光三に初めて会いに行った。柳瀬光三は感動で今にも泣きそうだ。
祐介は高校生の頃に事件を知り、ずっと犯人が柳瀬光三だと思っていたが、現在は疑問をもっていて、一緒に再審請求して、晴れて無罪になって光男に会いに行こうと話す。
しかし柳瀬光三も祐介に自分が犯人だと思われることが一番つらかったから、もういつ思い残すことはないと再審に消極的で、光男の居場所も本人にショックを与えるからと話す気はない。
それでも祐介は弁護士として無実を晴らして自由の身にすると誓い、帰っていく。柳瀬光三は祐介の後ろ姿を見て「光男!」と心の中で叫んだ。
■原作ネタバレ5.血の絆
祐介は柳瀬光三に会ったあとなぜか切ない気持ちになった。そして無実を確信するとともに救わなければいけない使命感を意識した。
祐介は津村弁護士の資料を目を通す。
柳瀬光三が有罪になった最大の決め手は自白だ。しかし胃癌が治ってから無罪を主張し、その理由は、胃癌で死の恐怖があったことと状況的に犯人に間違われると思い、自暴自棄になったと裁判で答えた。しかし本当の理由は子供の居場所を詮索されたくないからだろう。
津村弁護士が再審請求で訴えたことは
・凶器の包丁が見つかっていない
→自白した場所にない
・タンスから何かを探していた形跡があった
→何を探していたが話さない
・柳瀬光三の衣服に返り血がなかった
→あまりに不自然
だった。
凶器の包丁は真犯人がどこかに捨ててはずだ。
■30年前の真相
そのころ柳瀬光三は東京拘置所で1人、事件を振り返る。
30年前、柳瀬光三が八王子の花木家から杉並区の大富家に帰宅すると、光男以外が全員殺されていた。警察に通報しようと思ったとき悪魔が囁いた。
大富家には子供のない兄夫婦がいて祐介の誕生を心から喜んでいたことを思い出した。光男と祐介をすり替えれば、妹夫婦の忘れ形見として大切に育ててくれるはずだ。
柳瀬光三はタンスから祐介の母子手帳を探した。そして祐介の遺体と光男を交換。光男を現場に残し、祐介の遺体を抱えて岐阜へ向かい、蓮命寺という寺の本堂の床下に祐介の遺体を埋めた。
翌日、柳瀬光三は自分が容疑者になってることを新聞で知ったが、無実を主張して真犯人が逮捕されたら、本当は祐介も殺されたことがわかってしまう。
真犯人は生き延びることになるが、柳瀬光三にとっては光男の将来のほうが大事だった。
■祐介は柳瀬光三が住んでいた山口へ
祐介は柳瀬光三・あかね・光男が暮らしていた山口に行ってみた。するとなぜか懐かしい臭いがし、この光景を知ってる・・・そんな気がした。
かつて住んでアパート周辺や勤めていた会社で聞き込みをすると柳瀬光三の評判は「子煩悩」「誠実な人間」など評判がよく、一方で、嫁のあかねについては「とんでもない女だ」と批判されていた。
社員寮やアパートの屋根の向こうにある五重塔を、祐介は知ってる気がした。柳瀬光三が務めていた会社の同僚からは「若い頃の柳瀬光三に雰囲気が似ている」といわれ、社員たちは弁護士費用をカンパして集めた。こんなことは初めてだ。
■祐介が柳瀬光三と2度目の接見
祐介が2度目の接見をすると、柳瀬光三は「もう十分です。再審はしません」と言ったが、祐介は「あなたは無実です。頑張りましょう」を励まし、柳瀬光三は嗚咽を堪えるだけだった。刑務官たちですら彼を無実だと肌で感じている。
柳瀬光三は子供の写真は「縁を切るため」だといって捨てていたが、津村弁護士の嫁はアルバムを処分せず持っていた。その中の写真の背後に五重塔が映っていて、祐介は思わずあっとなった。養母に事件のとき、祐介の母子手帳はなかったと言っていた・・・祐介は何かとんでもない事実に迫っていると感じていた。
■原作ネタバレ6.真犯人の仮説
祐介は仮説を立てた。
「真犯人の狙いは花木家だったが、半年前に引っ越したことを知らなかった(表札も確かめなかった)」柳瀬光三と光男がいたことが捜査を迷わせたのだ。
祐介は花木家を訪ね、花木重彦に仮説を伝えた。するとあかねの死んだ旦那・河村真二が怪しいとわかった。
あかねが17才で家出したあと、河村真二はあかねのヒモになり、あかねの名前を使って花木家に何度も金の無心に何度もきていたからだ。1度警察に通報したあと来なくなったが、八王子に引っ越す2ヶ月前、あかねの居場所を聞きにきていた。
■真犯人は河村真二?
河村真二は事件の3年前、喧嘩した相手をナイフで刺した傷害で逮捕され、服役した。
あかねは河村真二から逃げて山口へ行き、柳瀬光三と出会い結婚して光男を出産した。
その後、出所した河村真二が山口のあかねを訪ね、復縁した2人は博多へ行くが、赤座組というヤ〇ザから追われて東京へ逃げた。赤座組と金銭トラブルがあったとしたら、花木家を襲う動機になる。
調べると河村真二の死因は、大久保で喧嘩した相手から公園で石で頭を殴られたということで、相手は結局見つからなかった。ヤ〇ザはこんな殺し方はしないので、赤座組とは金銭トラブルじゃなかったかもしれない。
しかし一方で、花木家は裕福なのに娘のあかねは貧乏だったので、河村真二は「財産の半分はあかねにも権利がある」と主張していたという。一家全員が死んだら財産はすべてあかねのものになる。これが動機かもしれない。
ただ河村真二が真犯人だと判明したら、礼菜を「殺人犯の娘」という立場に追い込むことになってしまう。
祐介は、30年前に柳瀬光三が祐介と光男を交換したことを確信したが、真犯人を見つける以外に再審の道はない。
■祐介が柳瀬光三と3度目の接見
柳瀬光三はやはり再審請求しないという。
祐介が、真犯人は河村真二だとう仮説を伝えると、柳瀬光三は怯えた。本当は子供は殺されていたのでは?と尋ねると、2人とも無事だったという。
柳瀬光三は河村真二が真犯人だったとしてももう死んでいるから、今さら事件を蒸し返さないでほしいと懇願する。
光男のため人生を犠牲にしていいのか?と尋ねると「犠牲にはしていない」「結婚して子供を持て私の気持ちがわかる」という返事。柳瀬光三が手をあわせた姿に祐介はショックを受ける。
祐介は、再審弁護を引き受けたきっかけは河村礼菜であり、その母親はあかねで、余命わずかの末期がんだと伝える。柳瀬光三はあかねが光男に会いたがっているのか気になる。
さらに祐介は、山口に行って五重塔を見たら既視感があったこと。事件後、養父母に引き取られたとき自分が母親でなく父親を求めていたエピソードを話した。柳瀬光三の口元から嗚咽がもれた。
柳瀬光三は「もう2度とここへ来ないでください」と言って未練を振り切るように踵を返した。祐介は「父さん」と言いたかったが言えなかった。
■礼菜に兄だと伝える
祐介は礼菜に、柳瀬光三が再審を拒否したことと、真犯人が礼菜の実父・河村真二の可能性が高いことを伝えた。
礼菜は母あかねが死んだら独りぼっちになり、今度は殺人犯の娘として父の呪縛に捕らわれる人生になってしまうと悲観する。そんな礼菜に祐介は「1にじゃない。光男が見つかった。いま目の前にいる」と祐介自身が光男であることを告げた。
■3日後に死刑執行
ついに柳瀬光三の死刑が3日後に執行されることになった。ふつうは当日に告げて執行だが、模範囚なので所長が配慮してくれたのだ。柳瀬光三は光男に会えたので後悔はない。
■最終回の結末ネタバレ
祐介は柳瀬光三の死刑が3日後だと知り、接見を望むが、最後に会えるのは身内だけだ。
■養父は知ってた
祐介が養父に柳瀬光三の死刑のことを伝えると「最善を尽くしたのか?後悔はないのか?」といわれ祐介は、病院のあかねの元へ行き、あかねが事件について何か知らないか尋ねるが、あかねは口を閉ざす。
その夜、祐介の自宅に養父が訪ねてきて、実はずっと以前から祐介が光男だと気づいていたと告白する。妹夫婦の1周忌が過ぎた頃、生まれた病院から「母親と同じ右の二の腕に小さなアザがあった」と知った。しかし祐介にアザはなかった。
しかしその時にはもうすっかり、かけがえのない大切な子供になっていたから、祐介として育てることに決めたと。柳瀬光三が無罪を主張したときは子供のことがバレると焦ったが、柳瀬光三は最後まで隠し通した。
養父は「柳瀬光三に会って父さんと呼んでこい」と祐介の背中を押した。
祐介は特例として柳瀬光三との接見が認められたが、柳瀬光三本人が拒否してしまった。
■あかねの証言で凶器が見つかる
祐介は森下刑務官から、柳瀬光三から死刑執行後に渡してほしいというあかね宛ての手紙があると知り、今すぐあかねに届けてくれと頼んだ。
その後、祐介はあかねから呼ばれ病院へ。手紙には『あなたが念じれば光男の姿を見ることができるかもしれません』と、祐介が光男であることを暗示していた。
あかねはついに告白した。河村真二が大富家を襲った凶器の包丁は、河村真二の遺骨と一緒に彼の墓に埋めたという。
凶器のありかがわかったので、祐介は日弁連の人権養護委員会に連絡して、柳瀬光三の死刑執行は取りやめになった。
河村真二の墓は、警察とマスコミも連携して掘り起こしに立ち会い、あかねの証言通り墓の下から凶器の包丁が見つかった。事件前日に池袋の「横光刃物店」でサングラスの男が購入した包丁とも一致したので間違いない。血痕もあった。
■柳瀬光三が光男と会う
柳瀬光三は死刑執行を待っていたが、森下刑務官から刑の取りやめを聞いて面食らう。森下刑務官は「何があったかはいずれわかる。今日の午後、面会人がくる」と言い残した。面会人は祐介ではないという。
午後に現れた面会人は祐介だった。
祐介は、真犯人が特定できたので再審に向けて動き出すこと、処刑は中止になったことを伝えた。柳瀬光三はもう人生をまっとうしたから、いまさら生きる希望がないと答える。
祐介は、今まで光男のために人生を犠牲にしたのだから、今度は自分のために生きてみては?と提案する。柳瀬光三は今更名乗り出ても光男や育ての親に迷惑がかかるとごねる。
祐介は、光男を育てた養父母が時間の経過とともに事実に気付いて、光男に伝えてると話した。柳瀬光三は幸せになるのが怖くて出口に向かった。
祐介(光男)は言った。
「父さん」
柳瀬光三も言った。
「光男」
柳瀬光三は光男の温かいやさしさに包まれ号泣した。
■河村真二を殺した犯人はあかね
あかねが河村真二が真犯人だと気づいたのは事件の2年後だった。押し入れのバッグから偶然、凶器を見つけた。河村真二は事件後に金に話をしなかったし、松枝刑事は当時冤罪の匂いがすると言っていたので、あかねが河村真二を問い詰めると真犯人だと認めたのだ。
しかし自首を促したら、あかねに頼まれたと嘘の供述をすると脅されたので警察に通報できなかった。絶縁した両親からも自分が共犯だと思われたくなかった。
また、河村真二を石で殺したのはあかねだった。ある日、喧嘩をしたあとの河村真二を見かけ、公園でつんのめって転んだところを、石で殴って殺した。動機は、実家の両親を殺そうとした男だから許せなかった。
河村真二の死後、あかねが真犯人を通報しなかったのは、あかねが彼を殺していたからだった。
■あかね
岐阜の寺の床下で、本当の祐介の遺骨が見つかり供養がされた。真犯人もわかり、柳瀬光三の冤罪が晴れる日は近い。
あかねは礼菜に一番つらい目にあわせたと悔いるが、そんな母親に祐介(光男)は「父さんの苦労から比べたら大したことはない」と怒りをこめて言う。
あかねは祐介(光男)に許しを乞うが、祐介は「父さんが帰ってきたら許すことができると思う」と厳しく答える。あかねは柳瀬光三と祐介(光男)を捨てたのだから。
礼菜は、思いを寄せていた相手が兄だという運命を「酷いわ」と嘆く。そんな妹に祐介(光男)は「これからはオレが守ってやる」と話す。数か月後あかねは死去した。
■無罪が確定
再審請求から半年後、柳瀬光三の無罪が確定して出所した。柳瀬光三は浦里牧師に、自分も牧師になりたいと言ったが、たくさん遊んで再婚しなさいと言われる。
柳瀬光三が出所するとあかねは危篤状態になった。病室であかねは振り絞った小さなな声で柳瀬光三に「ごめんね」と謝罪し、柳瀬光三は「君と出会えてよかった。ありがとう」と感謝を述べた。祐介(光男)はあかねの手を握り「母さんありがとう」と母として認めた。
■父の人生
柳瀬光三は祐介(光男)の自宅で過ごした。2人で酒を酌み交わし、礼菜も参加することもあった。
津村弁護士の墓参りに行き、嫁の佐智子にも挨拶した。
その後、山口で勤めていた会社から就職と住む場所を手配したから心配無用と連絡があった。
柳瀬光三はこのまま祐介(光男)と暮らしたら、30年間が無意味になるからあえて祐介(光男)と離れて山口で暮らすことにした。
あかねの四十九日の法要が終わった翌日、祐介(光男)は父のわがままを受け入れ山口まで新幹線で送った。父の住む場所を知っておきたいし、2人で町を歩きたいから。
先日、柳瀬光三は祐介(光男)を育てた浅利夫婦から感謝された。「あなたのおかげで子供と一緒に暮らす喜びを味わうことができた」「妹一家を失った悲しみも光男のおかげで救われた」と。子供をすり替えた罪を否定して、感謝までしてくれた。
新幹線の中、柳瀬光三は隣に座る祐介(光男)を見て『俺ほどの幸福者はいない』とささやかな喜びをしみじみと感じた。
★終わり★
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