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ドラマ陸王に実在モデルはあるのか?登場する「こはぜ屋」のモデル企業、ライバルの大手「アトランティス」のモデル企業、茂木裕人のモデルランナーについて調べてみました。
「こはぜ屋」のモデル企業はドラマと同じ行田にある「きねや足袋株式会社」説
「アトランティス」のモデル企業は「アシックス」説
竹内涼真さん演じる茂木裕人のモデルランナーは瀬古利彦さん説
マラソン足袋「陸王」のモデルはオニツカタイガー説
など、実在モデル説を調べてみるといろいろわかって面白かったです。「アトランティス」は「こはぜ屋」に妨害工作しますが「アシックス」はしないですね。
ドラマ陸王がますます楽しみになりました。
目次
●ドラマ陸王 「こはぜ屋」のモデル企業は「きねや足袋株式会社」説
ドラマ陸王で役所広司さんが社長役を務める「こはぜ屋」は、埼玉県行田市にある従業員20人の老舗足袋業者という設定です。
なのでモデル企業は、同じく埼玉県行田市佐間1-28-49にある老舗足袋業者「きねや足袋株式会社」だといわれています。
「きねや足袋株式会社」は1929創業の老舗で、現在の従業員数も「こはぜ屋」に近い26人という、小さな会社。
会社名:きねや足袋株式会社
住所:埼玉県行田市佐間1-28-49
■行田は足袋の町
埼玉県行田市は、江戸時代に忍藩の城下町として栄えました。そして江戸から足袋製法が伝わり、足袋作りは武士やその家族の仕事となりました。
行田市は、羽生市や茨城県南西部地区から材料を調達でき、江戸への販路を確保できたので足袋作りは発展してきました。
足袋は最初、作業用や旅行用として革製でしたが、1657年の明暦の大火のあと革が高騰してので、木綿足袋に代わっていきました。
明治時代は文明開化によって海外から機械が手に入って技術も進化。行田の足袋産業はどんどん栄えていきました。昭和初期から中期にかけては、行田市の至るところに足袋業者がありました。
■「きねや足袋株式会社」の歴史
「きねや足袋株式会社」は1929年(昭和4年)に先代が創業し、1949年(昭和24年)に初代中澤武男社長が「中澤足袋有限会社」を設立しました。
その後、事業を拡大していき1964年(昭和39年)にゴム底足袋の製造をスタート。翌年に現在の社屋を建てて1966年(昭和41年)に「きねや足袋株式会社」に改名しました。
1990年(平成2年)に2代目中澤憲二さんが社長に就任しました。2006年には足袋の見学ができる「足袋の館」をオープン。2014年に現在の3代目中澤貴之さんが社長に就任しました。
先代も含めると親子4代にわたって続いてるまさに老舗ですね。
原作小説を書いた池井戸潤さんも「きねや足袋株式会社」を取材してます。
■マラソン足袋「陸王」のモデルは「きねや無敵(MUTEKI)」
マラソン足袋「陸王」のモデルは、「きねや足袋株式会社」が2013年に発売した「きねや無敵(MUTEKI)」だと思われます。
開発のきっかけは、「セロベースランイング」を提唱する高岡尚司トレーナーから、裸足感覚で走るシューズ開発を持ち掛けられたことでした。
ちなみに池井戸潤さんが原作小説「陸王」を「小説すばる」に連載した期間は2013年7月号から2015年4月号でした。
■「こはぜ屋」のモデル企業は「きねや足袋株式会社」
・行田市の老舗足袋業者
・マラソン足袋「きねや無敵(MUTEKI)」
・池井戸潤が取材してる
3つのことから「こはぜ屋」のモデル企業は「きねや足袋株式会社」だと思われます。ただマラソン足袋「きねや無敵(MUTEKI)」には、ドラマ「陸王」にも登場する新素材ソールの開発はしてないです。
一方、ドラマ化にあたりTBSは、原作のイメージを表現するため埼玉県行田市でロケを行いました。ドラマ化のため、原作に登場する走り方の研究、マラソン足袋の詳細な取材も行ったそうです。
ドラマで「ニューイヤー駅伝」のシーンがあるので、今年2017の1月1日に撮影も行ってます。こんなに前から準備していたんですね。
『陸王』撮影初日、無事終了しました!この生の臨場感、ドラマで再現します!ご期待ください!!!#tbs #ニューイヤー駅伝 #陸王 #池井戸潤#マラソン #ランニングシューズ pic.twitter.com/DPuLU1fHO5
— TBS「陸王」いよいよ今夜9時‼️ (@rikuou_tbs) 2017年1月1日
●ドラマ陸王 「アトランティス」のモデル企業は「株式会社アシックス」説
ドラマ陸王で「こばせ屋」の競争相手である大手スポーツメーカー「アトランティス」のモデル企業は「株式会社アシックス」だといわれています。
■「株式会社アシックス」
「株式会社アシックス」は2009年に創業60周年を迎えた、兵庫県神戸市中央区に本社がある、国内売り上げ1位を誇る大手総合スポーツ用品メーカー。
「アシックス(ASICS)」ブランドは、競技用シューズ・スニーカー・アスレチックウェアなどを展開。強みはスポーツシューズで、特にマラソン用とバレーボール用は高いブランド力があります。
スポンサー契約を結んでる選手は、例えば陸上競技だと高橋尚子さん・有森裕子さん・野口みずきさん・土佐礼子さんなど有名選手ばかり。
■シューフィッターが実在
「株式会社アシックス」には陸王にも登場するシューフィッターが実在します。
陸王に登場するのは、市川右團次さん演じる村野尊彦。ランニングシューズ業界のカリスマで選手のことを第一に考えるシューズ調整のプロ職人。竹内涼真さん演じる茂木裕人にシューズを作ります。
実在のシューフィッターは三村仁司さんといい、瀬古利彦さんにシューズを提供しています。
三村仁司さんは、アシックスマジックランナーを大ヒットさせたあと入社しました。別注シューズ部門を任させられて、トップ選手それぞれに合うオーダーシューズを作っていきます。選手に広告塔になってもらうためです。
当時、アッパー素材が布製だったことが選手の足のむくみの原因だとわかり、ポリエステル素材のアッパーにしたシューズを開発し、シューズ革命を起こしました。原作の陸王では、ベンチャー企業「タチバナラッセル」が素材提供しています。
さらに、ソールがただのゴム底だったのを、ゴムを網目状にして合成皮革を貼り付けて改良。「画期的に軽くて足に合う、走りやすいマラソンシューズを開発した」とアシックスを有名にしました。原作の陸王では新素材「シルクレイ」をソールに使ってます。
■「アトランティス」との違い
「株式会社アシックス」は日本企業ですが、「アトランティス」はアメリカの企業です。
「株式会社アシックス」の実在シューフィッター三村仁司さんは定年まで勤務しましたが、原作の村野尊彦さんは途中でケンカ別れしてクビに。
「株式会社アシックス」は競争相手に妨害工作や嫌がらせなんかしませんが、「アトランティス」はやっちゃいます。
●ドラマ陸王 茂木裕人のモデルランナーは瀬古利彦?
ドラマ陸王で竹内涼真さんが演じる茂木裕人のモデルは、元五輪ランナーの瀬古利彦さんだといわれています。
■学生時代に箱根駅伝5区を走った
瀬古利彦さんは1年次から4年連続で「花の2区」を走り、3~4年次では区間新記録を打ち立てた有力ランナーでした。
陸王の茂木裕人は、学生時代に箱根駅伝5区を走った有力選手でした。
■期待の新人として実業団に入るが
瀬古利彦さんは大学卒業後、「エズビー食品」に入社して実業団ランナーとして活躍。ロサンゼルスオリンピックに出場しますが、結果は14位・・・優勝できませんでした。
陸王の茂木裕人は、期待の新人として「ダイワ食品」に入りました、国際マラソンで膝を痛めます。
■靴を変えて復活した
瀬古利彦さんは負けた原因を、初の夏マラソンで経験値がなくリズムが掴めなかったと分析。それまで練習で使っていたナイロン製の靴を、アシックスのシューフィッター三村仁司さんに頼んで「今まで負けたことのない布の靴」を作ってもらいました。
そうして新しい靴で出場すると、ロンドンマラソン・シカゴマラソン・ボストンマラソンで優勝し、偉大な結果を残すことができました。
陸王の茂木裕人は、国際マラソンで膝を痛めた原因が走り方だとわかり、そしてフォーム改良に取り組むなか「こばせ屋」のマラソン足袋「陸王」に出会い、再起をかけます。
●ドラマ陸王 マラソン足袋「陸王」のモデルはオニツカタイガー説
マラソン足袋「陸王」のモデルはオニツカタイガーでは?ともいわれています。
アシックスはもともと鬼塚喜八郎さんが昭和24年に創業した会社で、鬼塚商会を経て鬼塚株式会社になり、のちに現在のアシックスになりました。
当時のブランドがオニツカタイガーで、レトロな雰囲気が人気で復刻してます。オニツカタイガーは海外でも欧米とタイで特に人気だとか。
陸王のスニーカーの元ネタは存在しないらしいな。
ライバル会社はアシックス説あるけどこれも否定されてる。
ワイ的に、陸王のスニーカーに近いのはオニツカタイガーのエクスカリバーちゃうかと思うで。常勝をもたらす剣やし、騎士王やし。
なんで、やっぱりセイバーがナンバーワン!#陸王— 上下逆さまつげ (@kitayokitakita) 2017年10月7日
■ドラマ「陸王」 原作小説の池井戸潤がツイッターで「モデルは実在しない」
ドラマ「陸王」のモデルが実在するかいろいろ調べてみました。「こばせ屋」「アシックス」「シューフィッター三村仁司」「瀬古利彦」「オニツカタイガー」などが実在モデルとして有力ですが、それぞれをそのままモデルにしたのではなく、それぞれの要素を上手にミックスさせたという印象です。
でも池井戸潤さんは「モデルがなくても書けるのが作家です」と語っていたり、ツイッターでも陸王に実在モデルはないと明言してます。
念のためのお知らせですが、池井戸の小説「陸王」は、完全なフィクションであり、既存の会社・組織・人物、および製品のモデルはありません。どうぞ誤解されませんようよろしくお願いいたします。#陸王
— オフィスIKEIDO (@officeikeido) 2017年10月9日
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