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フジテレビ土曜深夜ドラマ【悪魔の弁護人 御子柴礼司】の第二章の原作小説あらすじネタバレを紹介します。
【悪魔の弁護人 御子柴礼司】第二章では、御子柴礼司と稲見教官の因縁、老人ホーム介護士殺害事件の裁判が描かれます。
少しネタバレすると稲見教官は、御子柴礼司が医療少年院にいた頃の脱走に関わってる一方、贖罪の道を教えてくれた恩人でもあります。
そんな稲見教官が、老人ホームの栃野介護士を殺して裁判にかけられます。御子柴礼司は恩人を無罪にするため弁護しますが、稲見教官の気持ちは真逆で罪を償いたい・・・果たして判決は?そもそも動機は?
目次
●【悪魔の弁護人ネタバレ】御子柴礼司と稲見の因縁とは?
26年前の昭和60年8月、福岡市郊外の郵便ポストにの上に、近所の佐原家の次女みどり5才の頭部が置かれた。翌日以降、ほかの部分が毎日1パーツずつ違う場所で見つかり、犯人は『死体配達人』と名付けられた。犯人は14歳の少年・園部信一郎。
動機は「誰でもいいから人を殺してみたかった」という罪の意識のなさ。週刊誌は少年の顔写真と実名を公開した。
園部信一郎は医療少年院に入院。父親は被害者遺族から8000万円の慰謝料を請求され首つり自殺。母親と妹は夜逃げ同然で失踪した。
医療少年院の教育担当・稲見教官が親代わりとなり、赤ん坊やり直すため名前も本名とは違う名前をつける。園部信一郎は特撮ヒーローからとって御子柴礼司という名前にした。
御子柴はここで2人と少年と出会った。嘘崎雷也は虚言癖だが弁護士志望、夏本次郎は身長180cm以上の大柄だが左肩先欠損で口がきけず臆病な性格。
■贖罪の奏鳴曲(ソナタ)
ある日、年に一度男女が集まる合唱会で、女子寮の院生・島津さゆりが弾くピアノ奏鳴曲(ソナタ)を聴いた御子柴は心が騒いだ。
矯正プログラムの一環で毎日弾いてるという島津さゆりのピアノを、御子柴は稲見教官に懇願して毎週土曜に聴くようになると、浄化されたかのように感情が呼び覚まされた。
すると自分が犯した罪の大きさに恐怖し、取り返しのつかないことをしたと後悔した。
■嘘崎雷也の死
そんななか母親をバカにした柿里教官に嘘崎雷也が飛び掛かり2週間の独房送り。処分明けに母親から手紙が届いたを読んだ嘘崎雷也は、舌を出したまま机から飛び降りて落下の衝撃で舌を噛み切って自殺した。手紙の内容は絶縁状だった。母親は再婚するのに雷也が邪魔だった。雷也は母親を守ってDV父親を殺していたので、母親から捨てられたショックは計り知れなかった。
■夏本次郎の死
その後、相棒を失った夏本次郎は、脱走計画に御子柴を誘った。
決行当日。トイレに行くと嘘ついて外に出たが稲見教官に見つかったので、御子柴が稲見教官にタックル、その隙に夏本次郎は炊事棟の屋根をつたって2.4mの金網フェンスを越えて脱走に成功したが、逃亡中1時間後に車にはねられて死んだ。御子柴は「自分が次郎を殺した」と苦悩した。
■稲見教官を半身不随に
稲見教官も、もみあいになったとき稲見教官がももに歯ブラシの柄を刺したせいで半身不随になったが偶発事故扱いにしてくれた。
■「謝罪するな。償え。」
稲見教官は御子柴にこう言った。
「後悔なんかするな。謝罪もするな。償え。(犯した罪の埋め合わせをしろ。別の人間を苦しみから救え)」「償いは義務ではなくまっとうな人間に戻る権利だ」と贖罪を説いた。
嘘崎雷也の弁護士志望を思い出した御子柴は、教官たちにバカにされながらも有り余る時間を勉強に費やし、20才で司法試験に一発合格して弁護士になった。
■御子柴の悪徳弁護の目的は贖罪
そしていま御子柴は毎月15日、26年前に殺した佐原みどりの母親に100万円を送金している。
元教育教官・稲見武雄は、80近いが身寄りは誰もいないが特別養護老人ホームにいる。入所費用は御子柴が払ったようだ。
■御子柴礼司と稲見の因縁とは?
御子柴礼司は脱走騒ぎのとき稲見教官を半身不随にしてしまったが、稲見教官は事故扱いにした。
稲見教官は半身不随になりながらも御子柴礼司に『謝罪もするな。償え』と贖罪の道を教えた。
●【悪魔の弁護人ネタバレ】老人ホーム介護士殺害事件の裁判の判決!
■原作あらすじネタバレ 稲見教官の殺人容疑
老人ホーム『伯楽園』に入所していた稲見は、介護士の栃野守の頭を花瓶で殴って殺した罪で逮捕された。
自白と目撃情報、現場の証拠から有罪は確実。稲見は有罪になって殺人を償いたいが、御子柴は恩人を無罪にするため奮闘する。
■原作あらすじネタバレ 裁判(第2回公判)
御子柴は老人ホーム『伯楽園』の介護士が入所者を虐待していることを見抜き、監視カメラの映像データを入手して虐待の証拠も示した。
栃野介護士は災厄そのもので、体の不自由な入所者に対して日常的に暴力をふるっていた。
日本の法律や世間というのは加害者に甘く、被害者やその遺族に厳しい。それは想像力が欠如しているからで、誰も自分が事件の当事者になるとは思っていない。だからどんな事件が起きても安全地帯の中でしか物事を考えることができない。
また御子柴は、入所者への聞き込みによって稲見たちグループが口裏を合わせていた嘘も見抜いた。
稲見の自白は「栃野とは普段から口論をしていた。事件当日も腹が立って食事のトレイを床に落とし、栃野が拾おうと屈んだときテーブルの花瓶で殴って殺した」
しかし実際は「栃野とは普段揉めてない。栃野が後藤を虐待したので窓際の花瓶で殴って殺した」という、後藤を虐待から守るため栃野を殺した。
しかし稲見は法廷で、被害者・介護士の栃野に対して明確な殺意あったと証言。自分の信条を変えるつもりの稲見に、弁護人の御子柴は苦労する。
■原作あらすじネタバレ 稲見が『伯楽園』に入った理由
稲見が老人ホーム『伯楽園』を選んだのは偶然ではなかった。月額費用はけっこう高く貯金で払うのは無理がある。
理由はただ一つ。後藤清次が入っていたから。
稲見は離婚後、息子の武士がサラリーマンになったとき、ホームに転落した老人を助けて電車にひかれて人身事故で死んだ。その老人が後藤だったのだ。葬儀に後藤が来ていたが恥ずかしくて声をかけなかった。
時が過ぎて老人ホームを考えるとき、『伯楽園』がテレビで特集された映像に後藤が映ってるのを見て入所を決めた。しかし稲見は『伯楽園』でも、後藤が認知症気味なこともあり武士の父親だと名乗らなった。息子と後藤のことは誰にも恥ずかしくて言ってない。
■原作あらすじネタバレ 被害者・栃野が殺した佳織の遺族
御子柴は名古屋のベッドタウンで陶器の街である多治見に行き、工房『ひうら陶苑』を訪ねる。ここは、ブルーオーシャン号事件(転覆事故)で栃野に殺されたとされる、1人娘・日浦佳織の実家だ。
佳織の父親は日浦頌栄。母親は栃野の無罪判決が出た2年前に子宮がんで死んだ。
ブルーオーシャン号の事件(転覆事故)では、栃野が佳織の救命胴衣を奪った映像によって栃野は逮捕されたがまさかの無罪。世間からも「緊急避難」として容認された。逆に佳織の遺族のほうが被害者ズラするなと世間から抗議されてしまった。
御子柴は、日浦夫婦以外に栃野を憎んでいた人物がいないか?日浦頌栄からアルバム写真を見せてもらった。
■原作あらすじネタバレ 裁判(第3回公判 最終弁論)
御子柴の主張によってこの裁判にマスコミの関心が高まった。ポイントは4つあった。
1.ブルーオーシャン事件以降皆無だった「緊急避難」を弁護の争点にしたことで、介護士殴打事件は世間の注目を浴びた。から。
2.さらにブルーオーシャン事件の被告人が今回の被害者だったため、因縁を感じる者も多かった。
3.老人ホーム『伯楽園』で虐待が常態化していた事実。
4.元少年A御子柴が、殺意を認めてる被告を無罪にできるのか?という疑問。
御子柴は、老人ホーム『伯楽園』で稲見グループの仲間である老婆・小笠原栄86才を弁護側証人に呼び、まずは稲見と口裏を合わせたことを認めさせる。
介護士の暴力はどこまでが介護でどこからが暴力があいまいで、最後の棲家を追い出されるわけでにもいかず、逆らえない環境にあった。
栃野はブルーオーシャン事件の被告だと自分から言いふらし「オレは人殺しだ」と脅して入所者たちを恐怖で支配していた。
その栃野が一番虐待していたのは、認知症で動きが遅く食べ物をこぼしていた後藤だった。後藤は骨粗鬆症を患っていたため、暴力が続けば重篤な事態になる予想があった。
御子柴は日浦の父親から預かった、日浦佳織の18歳当時のアルバム写真をモニターに映す。両親と母方の祖父母が一緒に映っており、なんと小笠原栄は佳織の祖母だと判明。
小笠原栄が孫を殺した介護士がいる老人ホーム『伯楽園』に入所したのは、偶然ではなかった。『伯楽園』がテレビで特集されたのを見て知って入所していた。
「後藤に暴力をふるう栃野を黙ってみていたのか?」「稲見に後藤を守ってくれと頼んだのか?」と質問すると、小笠原栄は消え入るような声で「記憶にございません」と答えた。
だがこれでいい。孫の仇を討つために稲見をたきつけたと、裁判員に印象づけることが出来たから。稲見の『緊急避難』が認定されることが御子柴の目的なのだから。
■原作あらすじネタバレ 求刑
矢野検察官は、殺人を主張して懲役15年を求刑した。
御子柴は、老人ホーム『伯楽園』の介護士と入所者の関係は、アウシュビッツ収容所のナチスとユダヤ囚人と同じ極限状態であり、第三者を助けるための緊急避難で殺意はなく、贖罪の念を抱いており、刑罰を与える意味はないと主張。
ひ弱な老人を助けようとして、結果的に獣を殺めてしまった無罪を主張した。
しかし稲見は、御子柴に感謝しつつ、殺意を認め罰を求めた。緊急避難で無罪になったら栃野と同じ獣になってしまうから。
あとは判決まちだ・・・
■原作あらすじネタバレ 黒幕と真相
老人ホーム『伯楽園』は介護保険法違反を問われ、半年間の新規受け入れ停止、半年の介護報酬2割減額。前原や漆沢など介護士たちはもちろん、角田施設長も処分の対象となり、経営母体の福祉法人は、入所者への補償、職員の総入れ替えを表明した。
御子柴は小笠原栄に会い、真相を聞き出す。
老人ホーム『伯楽園』に入所した理由は栃野への恨みだ。具体的な復讐方法はなかったが、常にチャンスを狙っていた。
小笠原栄は証言台で「記憶にございません」と言っていたが、本当は言っていた。
殺人の教唆もしてないし、栃野を憎いとも言ってないが、「あの人を守って」と稲見の『男子独特ヒーロー精神』を刺激するだけでよかった。初めて稲見を見たときから復讐の代行を託すと決めていた。
完全犯罪だが、これは法律違反ではない。CDラジカセからはモーツァルトのレクイエムが流れていた。
■原作あらすじネタバレ 判決と結末
判決は懲役6年。
緊急避難の要件は満たさないが過剰避難として減刑。裁判官は他人を救うための殺人犯を裁くのは初めてだという。
緊急避難の前例を作りたくないからだと憤慨する御子柴は控訴しようとするが、稲見は満足してるから控訴を断る。
稲見は、小笠原夫人が毎日自分に「後藤を守ってくれ」と吹き込んだことも知っていた。
テレビで放送された佳織の葬儀で流れていたモーツァルトのレクイエムは、小笠原夫人がいつも聴いてるのと同じだったため、顔も似ているし佳織の祖母ということも薄々気付いていた。
それでも小笠原夫人が黒幕ではなく復讐とは関係なく、後藤を守るために栃野を殺したという稲見。
「お前の贖罪の仕方と、俺に贖罪の仕方が違っていただけの話だ」
息子が守った命のため手を汚した稲見の自己犠牲、孫のため鬼に変貌した小笠原夫人という黒幕、どちらも法律の外にあり、稲見を救う法律はなく、小笠原夫人を罰する法律もない。
この裁判で御子柴は注目され、まっとうな上場企業から依頼がくるようになったのだった。
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