_
広瀬すずさん主演の2017年春の注目映画「チアダン」は実話がモデルです。
これは、ポンコツチアダンス部がたった3年で全米制覇を成し遂げるまでの奇跡の実話。
実話モデルの名前は、現在も躍進を続ける福井商業高校のチアリーダー部「JETS」
映画で天海祐希さん演じる鬼教師のモデルも実話で、名前は五十嵐裕子先生。
チアダン部を設立したきっかけは、厚木高校の全米大会での優勝演技の動画を見たことでした。
映画「チアダン」を見るまえに、実話モデルの福井商業高校「JETS」や五十嵐裕子先生のことを知っておくと、一層楽しめるかもしれません。「JETS」の全米選手権の動画もあわせて紹介します。
目次
●映画「チアダン」実話モデル 福井商業高校「JETS」
2006年の創部から僅か3年で全米チアダンス選手権大会優勝を成し遂げたのは
福井商業高校チアリーダー部「JETS(ジェッツ)」です。
つい最近、2017年アメリカ現地時間3月5日に全米チアダンス選手権で、前人未到の5連覇を達成したばかり。
快進撃は誰にも止められません。
■バトン部だった
「JETS」の前身はバトン部でした。
野球部の応援が主な活動で、大会には出場していませんでした。
きっかけは、五十嵐裕子先生が神奈川県立厚木高校の全米大会での優勝演技をテレビで見たことでした。
曲に合わせてジャズ、ヒップホップなどめまぐるしく調子が変わるダンスに目がくぎ付けになりました。
「生徒にもやらせたい」と強く思い、同僚らの反対も押し切ってチアリーダー部を創設。
バトン部は50年という歴史ある部で、甲子園で野球部の応援に必要でした。
なので、保護者たちからも猛反対されたのです。
■チアリーダー部「JETS」創設
突然「全米制覇」を突きつけられ、厳しくなった部活に2~3年生は反発・・・
60人近くいた部員は激減して、残ったのは1年生9人だけでした。
校長から「やめろ」と言われたことも。
しかし五十嵐裕子先生は諦めず
厚木高校を優勝させた前田千代コーチを招き、月1回の指導を撮影、入念に研究して力を付けていきました。
当時は「ありえない夢を追いかけている集団だと思われていた」と五十嵐裕子先生は振り返っています。
初制覇メンバーの三田村真帆さん(26才)は「全てを吸収しようと必死だった。優勝したときは言葉にならないほどうれしかった」といい、卒業後は部のコーチを務めています。映画のアメリカ撮影にも同行しています。
全米初優勝からこれまで全米大会を含め7度優勝していて、現在では強豪校の仲間入りを果たすまでに成長しました。
■「JETS」の名前の意味
「JETS」というチーム名は
「ジェット機のように急成長するチーム」
という意味が込められています。
■福井商業高校「JETS」全米大会で優勝!(動画)
■「JETS」の輝かしい優勝歴
全米選手権(NDA National Championship)
インターナショナルチームパフォーマンス部門
2013年 優勝
2014年 優勝
2015年 優勝
2016年 優勝
2017年 優勝
アメリカ現地時間3月5日に行われた全米チアダンス選手権で、前人未到の全米5連覇を達成しました!
初優勝のあとも、ずっと優勝し続けているところがすごいです。
↓こちらは「JETS」の2016年の全米選手権動画です。
●アメリカではチアリーダー部はセレブへの道
チアダンスとは
ポンダンス・ジャズ・ヒップホップ・ラインダンス
4つの踊りを組み合わせ、2分30秒の競技
日本ではチアガールやチアリーダー部は、応援する女子くらいな認知度です。
チアダンスもたまにテレビで放送されることがありますが注目度は低い。
しかし、アメリカでは
「チアリーダーで名門校出身なら、モデルや女優などセレブになれる」
というくらい人気の競技。
親たちも、娘をチアリーダーにしようと娘以上にアツイようです。
そんな本場アメリカで、日本のチームが優勝のですから快挙です。
しかも、創部からたった3年というのがすごい実話です。映画のモデルになるのも納得ですね。
映画の影響で日本にチアリーダー部が増えることになったらいいですね。
●福井商業高校「JETS」顧問 五十嵐裕子先生(画像)
五十嵐先生が、JETSの映画化が恩返しになればいい、そして夢が叶うと信じてほしいと思ってる。
この先生に夢ノートを教えてもらって本当に良かった。 pic.twitter.com/2ocR6pHC7t— みんなの夢のーと (@jl11008) 2016年5月10日
■がむしゃらな行動力
五十嵐裕子先生の性格は
「やりたいと思ったらすぐ行動に移す」
例えば大学生の時に中国映画を見て少林寺拳法を始めたり。
がむしゃらな行動力が強みです。
チアダンスをやろうと思ったきっかけは
2004年3月、全米大会で優勝した厚木高校の演技をテレビで見た時。
曲に合わせてジャズ、ヒップホップなどめまぐるしく調子が変わるダンスに目がくぎ付けになり
「これだ!」
そのすぐあと
2004年4月に福井商業高校に赴任
「バトン部」の顧問になると、少しずつ練習にチアダンスを入れていきます。
そして全米制覇の夢をかかげたのでした。
2年後の4月にはチアダンス一色になっていました。
「私は素人だから、しがらみがない」
とにかく思ったら即行動!
厚木高校を優勝させたプロダンサーの前田千代さんにコーチに依頼して、引き受けてもらいました。
甲子園常連の野球部を見習って、大声での挨拶を取り入れました。
良いと思ったら、何でも取り入れます。
■大切にしたのは生活態度
五十嵐裕子先生は
・化粧禁止
・髪は後ろで束ねておでこが見えるように
・道具や練習場所の体育館に感謝する
といった礼儀作法を徹底させました。
ダンスの技術よりも、生活態度を重視しました。
厳しいルールに反発して辞めた生徒もいますが、結果、残った部員たちは結束が高まりました。
■精神面の成長を指導
・他人と違うことをさせることで個性を磨く「変人プロジェクト」
・どんな場面でもはっきり自分の意見を述べる
・誰よりも大きな声で返事をする
・心からの笑顔を練習する
など、精神面を育てる一風変わった指導法も五十嵐裕子先生の魅力です。
部員のコメント
「最初は恥ずかしかったけど、やり続けるうちに気持ちが盛り上がり、自分の殻を破れた。愛情を持って厳しく接してくれる『神様』のおかげ」
神様とは、ほかならぬ五十嵐裕子先生のことですね。
■夢ノート
五十嵐裕子先生は
部員1人1人に「夢ノート」を作らせました。
・夢を叶える為には逆算して何をすればいいのか書き出す
部員たちは日々、自分の夢を夢ノートに書き綴っていきます。
すると彼女たちは信じられないスピードで進化していきます。
「輝きたい」という気持ちがどんどん膨らんでいきます。
夢を実現できる方法が見えてきて、カがみなぎってきます。
想像ですが、これらのことを一番お手本として実践していたのは、きっと五十嵐裕子先生本人なんでしょうね。
だから部員たちも、厳しくてもついていったのだと思います。
●まとめ
福井商業高校「JETS」と顧問の五十嵐裕子先生をモデルした実話映画「チアダン」
・海を越える女子高校生のパワー
・誰かを応援する気持ち
これらが素敵に描かれた映画です。
部活や勉強、仕事など様々なことにチャレンジする全ての人の心に響くこと間違いないでしょう!
みなさん大きく勘違いしておられますが、
「チアリーダー」と「チアダンス」は全く別カテゴリーのものです。
アメリカでセレブになるような「チアリーダー出身者」はあくまでチアリーダーの所属で、
「チアダンス経験者」はほぼいません。
この混同をわかりやすく言うと、
「ある空手の一流派の大会の演武部門でアメリカ人が優勝」→
「すごい!アメリカ人が日本の空手チャンピオンになった!!」
みたいなものです。