_
中山七里さんの小説【ドクターデスの遺産】が綾野剛さんと北川景子さんを主演キャストに迎え、【ドクター・デスの遺産 BLACK FILE】として映画化され2020年11月公開予定なので、あらすじネタバレ紹介します。
原作小説【ドクターデスの遺産】は安楽死がテーマにした作品。
終末期の患者ばかりが狙われる連続不審死事件。犬養刑事(綾野剛)と高千穂刑事(北川景子)は、依頼を受けて患者を安楽死させる謎の犯人【ドクターデス】という医者の正体を追う。
キャストと原作小説の結末犯人の正体などあらすじネタバレ紹介するので、【ドクター・デスの遺産 BLACK FILE】
目次
●映画【ドクターデスの遺産】登場人物キャスト
■警察
● 刑事:犬養隼人(綾野剛)
捜査一課のエース。バツ2で1人目の嫁との間にできた娘・豊崎沙耶香がいる。
警官になる前は俳優養成所に通ったおかげで相手の所作や表情から嘘を見抜く能力が身に着いたが女の嘘は見破れない。
● 刑事:高千穂明日香(北川景子)
犬養刑事のバディ。冷静沈着
● 麻生班長
ドクターデスを安楽死に名を借りた享楽殺人だと批判する
● 110番受付:倉科恵子
高千穂の同期
■犯人
● ドクターデス
サイト【ドクターデスの往診室】を運営。希望者を安楽死させる。
■馬籠家
● 小学生の馬籠大地8才(子役の???)
ドクターデスが父親を安楽死させた
● 馬籠健一
肺がん4年目に死亡
● 馬籠小枝子
■犬養刑事の娘
● 娘・豊崎沙耶香
犬養の最初の嫁の娘。腎不全で人工透析が欠かせない入院生活。治療法は腎移植のみ。入院治療費は犬養が支払ってる。
■医療関係者
● 巻代医師
馬籠健一の死亡を確認した。
● 看護師・雛森めぐみ
●映画【ドクターデスの遺産】原作小説の結末ネタバレ 犯人は?
■事件発覚
ある日、8才の小学生の馬籠大地の「悪いお医者さんが家に来てお父さんを殺しちゃったんだよ。あいつは死神なんだよ」という110番通報を受けた倉科恵子が、同期で捜査一課の高千穂刑事に捜査を頼んだことで、ドクターデスの事件が発覚する。
馬籠健一は肺ガンを患い3年目から入院費が工面できず借金も増え自宅宅療養だった。嫁・小夜子は本人同意のもと、眠ったまま苦痛を感じずに死ねる安楽死をドクターデスに依頼していた。
事件の背景には終末期医療の実態があった。日本では医師の多くが法的責任を恐れて積極的に終末期医療に取り組もうとしない。日本独自の倫理観で患者の延命を第一に考えてしまうこともある。
■犯人を追う警察
ドクターデスは【ドクターデスの往診室】というサイトで、1件20万円で安楽死の希望を受けつけていた。手渡しのため銀行の履歴を追うこともできない。
サイバー犯罪対策室によるとサイトは2年前に開設され、発信元を特定されないよう海外のサーバーを複数経由している。ログも途中で改ざんされておりIPアドレスを特定できない。
ただしコメント投稿者のIPアドレスはわかる。犬養刑事と高千穂刑事は、安楽死を依頼したと思われるコメント投稿者たちを手掛かりに捜査を始める。わかったのは【印象に残らない顔。小柄で頭頂部のハゲた60代の男】だけ。
ドクターデスがテレビのトップニュースになったことでイタズラ通報も殺到した。
中にはドクターデスの仕業にした殺人事件も発生。化学工場の爆発事故の重傷者・安城邦武は、完治する見込みなく入院中だった。爆発の原因は安城が機械の誤作動を見逃したミスとされていたが、真相はアラームを見るよう申し送りされた工場長が見逃した事故であり、工場長は証拠隠滅のため安城を殺した。しかし安城が苦しみながら死んだためバレた。
■娘をオトリに
犬養刑事は腎不全で帝都大附属病院に入院中の娘・沙耶香をオトリに使う作戦に出る。苦しんでる娘を安楽死させたいと【ドクターデスの往診室】で依頼。
沙耶香ではない架空の娘「犬養結衣」が「警察病院」に入院しているという嘘の設定にしたがドクターデスは罠を見破った。
当日ドクターデスは警察病院に現れず、帝都大附属病院の沙耶香の名入り塩化カリウム点滴バッグをナースステーション前に置いた。院内マニュアルを知らない者が手にしたらそのまま病室に運ぶところだった。
娘の命が危険にさらされ犬養は腰が抜けた
■ドクターデスの付き添い看護婦を特定
総資産400億、法条グループの総帥で「昭和の妖怪」と呼ばれた法条正宗90才がドクターデスに安楽死させられたと通報があった。依頼人は息子で遺産絡みのクーデターを防ぐ目的だった。
彼はドクターデスの付き添い看護婦の顔は覚えていたので似顔絵を作成。ナースセンターに照会し、首都圏の警察署に協力頼んだ結果、町田市に似顔絵そっくりの元看護婦を特定。
雛森(ひなもり)めぐみ37才は両親とは死別・兄弟ない・バツイチ独身。5年前に勤務先の病院が潰れ、現在スーパーや衣料量販店でバイト。問い詰めると安楽死させてるとは知らなかったと白状した。
2年前、医師に同行して器具の出し入れなど補助するだけで1回6万円というネットの求人広告を見て始めた。毎回携帯で呼び出しのためドクターデスの自宅や勤務先に行ったことはない。付き添い回数はこれまで12件に及んだ。
■ドクターデスの正体
雛森めぐみはドクテーデスの名前は寺町亘輝だと証言し、似顔絵を描く。
寺町亘輝の名前は日本医師会に登録がなく、本名かどうかも不明。手がかりは似顔絵だけ。雛森めぐみは字自宅とスーパーの往復で連絡を取ってる様子もない。
そのころ世間ではドクターデスが話題になり安楽死の是非を問う議論が巻き起こっていた。ドクターデスが安楽死させた患者の遺族は彼に感謝しており、本人含め誰も不幸になっていない。
そんななか現場に残った土から微量の藁の組織が検出されたことで、寺町亘輝の居場所を特定する材料が見つかった。関東ローム層であること、糸状ラン藁の生息地域、過去に氾濫した川が流れている、このヒントから場所が3つに絞られた。
寺町亘輝が日本医師会に登録がないのは廃業して今はホームレスかもしれない。結果、【小柄で頭頂部のハゲた60代の男】が監視カメラの映像から見つかった。
そんななかドクターデスから犬養刑事に、入院中の娘の沙耶香を狙ってるようなメールが届き、警察は雛森めぐみの監視を解いて沙耶香の警備にあたらせた。
被害者遺族の証言も得て、ホームレスの男性を逮捕。
寺町亘輝は本人だと認めたが殺人容疑は否認。医師免許は持ってない。
寺町亘輝は犯人ではなかった。逆だった。こいつが付添人で犯人は看護婦だった。
雛森めぐみから、カバンを持って医師のフリをして6万円の報酬を得ていただけだった。患者には鎮痛剤を注射してると思っており、まさか安楽死させているとは知らなかった。
真犯人は看護師の雛森めぐみのほうだった。サイトを開設したのも雛森めぐみ。
■ドクターデスの過去と理由
雛森めぐみは、勤務していた病院が廃業の憂き目にあったのがきっかけで無国籍医師団のボランティアに応募。すぐ渡航して、医療スタッフたちの倫理と奉仕精神に突き動かされた。特にアメリカ人ブランアイン医師の影響は特に大きかった。
中東の紛争地域では、負傷した兵士の手足を電動ノコギリで切断する。麻酔薬をはじめ薬が圧倒的に不足していたから兵士は激痛に襲われる。
ある日、典型的な破傷風の末期症状の患者が。手の施しようがない。苦しみ死んでいくのを見守るしかない。
こんなとき筋弛緩剤で安楽死させる医師たちの間では暗黙の取り決めがあり、雛森めぐみは初めて知った。
ブライアン「楽になりたいか」「これは治療ではない、救済だ」
患者は感謝の言葉とともに死んだ・・・。アメリカ人医師ジャック・ケヴォーキアンは【ドクターデス】と呼ばれ、積極的安楽死を推奨し、「誰にでも死ぬ権利がある」と主張していたという。
その後、安楽死は負傷者の数に比例して増えていった。最初は拒否反応を示していた雛森めぐみもサポートするようになっていった。彼女はブランアインにどこまでもついていくつもりだった。
しかし無国籍医師団が撤退する日、目の前のビルが爆撃され、ブライアンの胸に鉄筋2人が突き刺さり、「死ぬ権利を与えてくれ」と注射器と筋弛緩剤をめぐみに渡し、めぐみはブライアンを安楽死させた。
その後も各国の紛争地域を渡り歩き、めぐみは安楽死を続けた。
やがて無国籍医師団の医師の1人が安楽死の是非を問われたため、居づらくなってやめて日本に帰国。
日本でも延命治療に苦しむ人々がいると知り【ドクターデス】を名乗った。犬養刑事が現れるまでは順調だった。
■ドクターデスの真犯人逮捕
雛森めぐみは犬養刑事に電話で外国に高跳びすると告げた。しかしそれは警察に対する陽動作戦で、ほとぼりが冷めるのを待ってから渡航する計画だ。
その後1か月がたち、出雲に棲むすい臓がんの久津輪信四48才を安楽死させるのを最後の仕事として、これを終えたら高跳びするつもり。
久津輪は妻子と3人暮らしで、妻子が生きていくには死亡保険金だけが頼りだ。妻子不在時に訪問し、塩化カリウム製剤を注射して安楽死させることになっている。
ところが訪問すると、久津輪以外に犬養刑事と高千穂刑事がいた。警察の罠だった。
警察は【ドクターデスの往診室】の数多いるサイト訪問者のなかで久津輪は外見がブライアンそっくりだったことからマークしていたのだ。
そのとき土砂崩れが発生し、久津輪の自宅は押しつぶされた。久津輪は天井の梁の下敷きになり、梁は重くて持ち上げようとしてもびくともしない。救急車は市街地から30分以上かかるのでその時には死んでる。
肋骨が肺に刺さって呼吸自体が拷問になっており、もって10~15分だ。
雛森めぐみは安楽死を提案するが犬養刑事は「それは殺人だ」と反対。
しかし「警察官として人が苦しみ続けるのを指をくわえて見てる?それは罪にならないのかしら」と聞くと、犬養は刑事は戸惑った。
そこで3秒待つから注射器を粉々にしろと条件を出したが、犬養刑事も高千穂刑事も何もできず、雛森めぐみが安楽死させた。
1時間後、地元警察と救急車が到着し、雛森めぐみは逮捕された。
★
以上、映画【ドクターデスの遺産】原作小説の結末あらすじ、犯人の正体ネタバレでした。
この記事へのコメントはありません。