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松嶋菜々子さん主演のドラマ「女の勲章」原作小説を読んだので、あらすじの結末をネタバレします。
「女の勲章」の原作は、山崎豊子さんによる、戦後間もないファッション業界を舞台に、したたかに生きる女と男を描く、不朽の名作。愛と欲望と策略が渦巻く物語。
原作小説を読んであらすじの結末ネタバレ紹介するので、ドラマ「女の勲章」を見れなかったひとや、テレビで見るほど興味はないけど内容は知っておきたい人は参考になればと思います。
目次
●ドラマ「女の勲章」キャスト
■聖和服飾学院
・デザイナー/院長:大庭式子(松嶋菜々子)
・理事:八代銀四郎(玉木宏)
・講師:津川倫子(ミムラ)
・講師:坪田かつ美(相武紗季)
・講師:大木富枝(木南晴夏)
■式子の大学の師弟関係
・フランス文学・大学教授:白石庸介(長塚京三)
・経和新聞・記者:曾根英生(小澤征悦)
■三和織物
・社員:野本敬太(駿河太郎)
■関西デザイナー協会
・会長:安田兼子(浅野ゆう子)
■大庭家
・女中:キヨ(江波杏子)
●ドラマ「女の勲章」あらすじ
■第一夜(前半)
■洋裁教室を開く
大阪・船場の裕福な羅紗問屋の娘として生まれた大庭式子(松嶋菜々子)は、戦争で家族も家も失ってしまう。
焼け野原の中、これからは洋服、婦人服の時代が来ると感じた式子はミシンと共に立ち上がり、洋裁教室を開く。■服飾学校の設立
それから数年、式子の洋裁教室は人気を呼び、三人の弟子・倫子(ミムラ)、かつ美(相武紗季)、富枝(木南晴夏)と共に、甲子園に服飾学校の設立に乗り出そうとしていた。
そこに、東大卒の美男子・八代銀四郎(玉木宏)が現れ、自分を雇うよう迫る。
開校を目前に控えた式子の前に関西デザイナー協会会長・安田兼子(浅野ゆう子)が立ちはだかり…。様々な野望、欲望がうずまくなか、式子を助けながら次第に学校の主導権を握っていく銀四郎、そして3人の弟子たち……欲と策略の愛憎劇の幕が開こうとしていた。
引用:http://www.fujitv.co.jp/kunsho/plot.html
■第二夜(後半)
■パリへと
成功への階段を上り始めた式子は、大阪から、東京、そしてパリへとファッション業界を舞台に羽ばたいていこうとしていた。
しかし一方で、銀四郎(玉木宏)と関係を持つ女弟子たち(ミムラ、相武紗季、木南晴夏)への嫉妬心で心身ともに疲弊していた。■大学教授の白石
そんな折、銀四郎の恩師・大学教授の白石(長塚京三)が、式子の疲れた心に寄り添い包み込む存在となっていき…。ファッションデザイナーとして成功への階段を上りゆく式子の未来に待ち受けている運命とは…
引用:http://www.fujitv.co.jp/kunsho/plot.html
●ドラマ「女の勲章」小説ネタバレ!あらすじの結末はまさかの・・
■有名デザイナー大庭式子
映画「デザイナー物語」公開によって式子は女性から大人気になり、マスコミもこぞって持ち上げた。
甲子園分校、大阪本校、の募集もあっという間に定員になった。
式子は新聞社主催の「十大デザイナー作品ショー」に関西代表で参加する。3年前は無名だった式子は今やすっかり有名デザイナーであり大きな洋裁学校の理事だ。一方、銀四郎はチェーンスクール開校に奔走していた。
ショーのあと式子と食事をした白石教授は、急激な成功とともにどんどん変貌を遂げていく式子に「もっと自分を大切に」と批判的だった。
その夜、式子は銀四郎に抱かれる。
式子は地位と名声を手に入れ、一方でデザインの勉強や学校に関心がなくなっていった。そんな式子を富枝はさみしく思う。
■富枝が動き出す
式子は自分を有名デザイナーに押し上げた銀四郎に頼もしさを感じていた。
また、三和織物の野本敬太は倫子と1年も会っていない。破局したようだ。
倫子は野本のやさしさが好きだったが、野本では地位と名声を手に入れることはできない。倫子は銀四朗と肉体関係をもつ引換に地位と名声を手にするのだ。だから野本をフッた。
銀四郎には京都にチェーンスクールを作って学校の組織をかため、式子が注目を浴びている今のうちに、パリと日本を結ぶ洋裁事業をしようと考えていた。
銀四郎は式子に隠れて富枝を口説き出した。富枝は銀四郎が、倫子・かつ美と肉体関係を持っていることを知っていた。
富枝は式子に言いつけると脅して、銀四郎は追い返した。
■かつ美が京都校の校長に
かつ美は京都校の校長に就任した。富枝の計算のよればかつ美はサラリーマンの5倍を収入を得ることになる。
ちなみに倫子は甲子園校の校長と購買部用品の仕入れ責任者だ。
富枝は銀四郎に、浮気を式子に黙っていることと引き換えに縫製工場を持つことを条件に出す。
後日、銀四郎は式子に縫製工場を提案し、快諾され、まんまと富枝の思惑通りに事が運んだ。
富枝は肉体関係と引き換えに、縫製工場を手に入れた。
そんなことは知らない式子は、縫製工場を任された富枝を、無欲で縁の下の力もちと褒める。
■ジャンランベールの型紙
式子は来年パリに行き、コレクションでジャンランベールの型紙を買って、日本で縫製してパリモードを日本に紹介するつもりだ。
式子と銀四郎は、ジャンランベールの型紙を買う資金のために、経和新聞にスポンサーになってもらう。しかし担当記者の曾根英生は、式子は純粋にパリにデザインの勉強に行ったほうがいいと心配する。
また倫子は銀四郎の指示で、元カレで三和織物の野本に、スポンサーになってもらうよう頼み、成功する。
■衝撃の事実発覚!
ある日、式子は富枝が忘れていった財布を拾い、縫製工場の不動産名義が式子ではなく、富枝になっていることを知って驚愕する!
式子が富枝を呼び出して問い詰めると、富枝は平然と「銀四郎にもらった」と白状した。
そして倫子とかつ美に次いで自分は3番目だとも暴露。
式子は、倫子・かつ美・富枝が、銀四郎と隠れて情事を重ね、式子から成功も奪っていたことにショックを受ける。体中が火膨れになるような忌まわしさに襲われた。
倫子に甲子園校を任せ、かつ美に京都校を始めさせ、富枝に縫製工場を開かせ、デザイナーとして栄光が積み重ねられていく喜びに酔い、祝辞を述べた自分の愚かしさが思い返された。
3人の弟子は式子の愚かしさ嘲笑と侮蔑を送っていたであろうし、銀四郎は猿回しが猿を操るような非常な眼を向けていたかもしれない。
その後やってきた銀四郎に、式子は別れを切り出す。すると銀四郎は、これまでの功績に費やしたエネルギーの対価として慰謝料2000万円を要求してきた。払えないなら今まで通りの関係を続けると。
銀四郎は、式子が3人の弟子を追放して、2000万を払って、富と名声をすべて失う覚悟がないと見透かしていた。その通りだった、式子は金と名声を瞬時に失うことが怖かった。
銀四郎は「37にもなっていつまでも世間知らずのお嬢さんみたいなこと云うてはあきまへんわ、あんたとボクとはそう簡単に別れられるものやおまへんやないか」と言って、式子の体をあやすように抱いた。
式子は今通り、倫子・かつ美の前では何も知らないフリをして振る舞うしかなかった。生き地獄だ。
■パリへ
式子は銀四郎に見送られパリへ飛ぶ。偶然パリには白石教授がいると聞き、式子は救いを求め会いたくなる。
現地で三和織物と合流してジャンランベールの店に行くと、ついさっき日東貿易が総代理店を申し込んできたので型紙を売れないと謝罪される。
式子は白石教授に連絡をとり、食事をしながらジャンランベールの件を相談する。
後日、コレクションを観に行くとジャンランベール本人から一緒に仕事をしようと言われた。白石教授が口添えしてくれたのだ。
ジャンランベールの型紙を手にしたとき、式子はデザイナーとしての喜ぶに浸った。
■白石教授との幸せな時間
白石教授は式子とパリで会ったあとイギリスへ行っていて、式子はずっと帰りをまった。そして再会。式子は感謝の気持ちを伝え、1日ずっと一緒に過ごし、白石教授からフランスについてたくさんのことを聞く。
式子は白石教授を好きだと告白するが「初めての異郷で味わう感傷ですよ」と優しく断られた。
落ち込む式子のもとへ、型紙のことですぐ帰ってくるようにと銀四郎から手紙が届いた。式子にとっては悪魔の訪れでしかなかった。
式子は手紙から逃げて、すべてを捨てて白石教授のもとへ向かうことにした。白石教授はフランスからポルトガルへ移動したので、式子もあとを追う。再会すると、今度は白石教授受け入れくれた。そして帰国後に一緒に生きようと約束する。
式子は、銀四郎との関係を告白しようとしたが、出来ない。知れば白石教授が離れていくかもしれないから。その後しばらくは2人だけでポルトガルを旅行して夢のような時間を過ごした。
そのころ、式子を待ちきれない銀四郎は、式子を連れ戻すためにパリへ。しかし式子がホテルがいない。
■白石教授が去っていく・・・
銀四郎は式子が白石教授とパリで再会して、現在ポルトガルにいる事実を突き止めて、帰りを待ち伏せした。銀四郎に会い、動揺する式子。ホテルに戻って、式子・白石教授・銀四郎の3人で話し合うことになった。
銀四郎は、式子との関係を白石教授に暴露した。式子は泣き崩れる。式子は、銀四郎が弟子3人と関係を持って、学校組織を広げて利益をむさぼっていること、そのことに式子が利用されたことなどすべて打ち明ける。
驚いた白石教授は、銀四郎が式子と結婚するつもりだったのか聞くが、銀四郎は平然と答える。
結婚する気はなく、事実上の関係を持ちながら表向きは独身を装い、弟子3人に結婚の可能性をちらつかせて働かせて操るほうが、経営的にプラスだ。
さすがに白石教授も「何という卑劣な男だ」と怒りに震えた。
銀四郎の言動にあきれた白石教授は失望して、式子を残して帰ってしまう。銀四郎はうしろから式子を抱くが、式子は拒む。さらに銀四郎は、本気で慰謝料を請求するなら2000万円じゃすまないぞと式子の逃げ場をなくす。
■帰国
ジャンランベールとの3年契約を済ませ、銀四郎と式子は帰国した。
日本では派手な歓迎な待っていた。銀四郎の言いなりになり、記者会見を行うが、苦痛でしかない。
ジャンランベール人気は予想以上で、型紙の公開は大阪のショーで行われる。
式子はショーが終わったら、銀四郎と3人の弟子、自分の関係など、銀四郎が仕組んだ関係を清算しようと決心していた。
■ジャンランベールのショー
白石教授が京都に来ると聞き、式子は会いに行く。そして白石教授に会うと、彼は式子を嫌いになったわけではなかった。動揺して逃げただけだとわかった。
白石教授と式子は、ジャンランベールのショーが終わったらまた会うと約束していったんわかれた。
式子は、甲子園校だけ残して、あとのものは銀四郎との清算にあて、望むなら倫子・かつ美・富枝にも銀四郎に代わって慰謝料を払い幸せにしてあげたいと思った。
元カレの野本の善意を利用してきた倫子だが、ついに野本に核心をつかれ、騙してきたことも銀四郎と関係も暴露する。野本は最後の餞別として、三和織物のスポンサー契約をプレゼントした。
いよいよジャンランベールのショーが開催される。
式子はショーの成功を信じ、この利益はすべて銀四郎との清算にあてると考えていた。
■衝撃の結末ネタバレ!式子がまさかの・・・
ジャンランベールのショーは大成功に終わった。
ショーが終わると、式子と白石教授は、銀四郎に「結婚するので関係を清算したい」と申し出る。ジャンランベールを最後に仕事にしたいと。
式子は、ジャンランベールの利益、大阪本校、京都校など、甲子園校以外のすべてを渡すと条件を出す。しかし銀四郎はうんと言わない。
実は、大阪本校は2000万円の債務を抱え、京都校は担保に入っていた。債務を負った担保物件はいらないというのだ。おまけに債務は式子の名義で借り入れになっていた。学校の負債を片付けてからなら、譲り受けると。
式子は詐欺だと訴えるが、まるで歯が立たない。式子と白石教授だけで債務を払うことはできない。
白石教授は式子に「結婚を諦めよう」と言った。銀四郎のようなあざとい人間には立ち向かえないと。白石教授は式子に、学校の負債を返済するために仕事を続け、完済したら銀四郎と別れて独りになるのがいいと言った。
遠くからはあなたを見守っていますよ、と言って、白石教授は去っていった。式子は嗚咽し泣き崩れる。
白石教授という生きがいを失った式子は、誰も追ってこない場所へむかう。そして甲子園校に来た。教室に入り、今までのことを振り返る・・・
式子はハサミを手に取り、マネキンを引き裂いた。
そして、ハサミを自分の喉に向けて、自ら命を絶った。
■エピローグ 銀四郎はその後どうした?
式子が自殺した知らせをうけ銀四郎は動揺した。式子が多額の債務を抱えていたことがバレたら、そうなった原因として経理に調査が入り、マネージャーである銀四郎が式子を追い詰めたと疑われる危険がある。
動揺したままの銀四郎が病院につくと、式子の遺体があり、富枝もいた。富枝は、式子が一番損をしたと主張する。こうなると、後釜を狙っていた倫子が一番得をして、かつ美は今以上の地位が約束され、富枝は縫製工場が正式に自分のものになるから。
富枝が式子のネックレスを持ち帰ったあと、今度は新聞記者たちが取材に押し寄せた。記者は銀四郎を疑うように質問を浴びせるが器用にすりぬける。彼氏がいたかの質問にも、そんな人はいないと答える。
そして自殺した原因について銀四郎は、マスコミが喜ぶような説を唱えた。式子はランベールの型紙に憑りつかれ、ショーが終わったことの脱力感からマネキンの前で自殺したというもの。案の定、新聞はセンセーショナルに書きたてた。
銀四郎の不安はすっかり消えた。式子は、銀四郎がぶらさげてあげた「女の勲章」を嫌って死んだ。そんな女に責任は持てない。今度は倫子に「女の勲章」をぶらさげてやるだけだ。
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