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木村拓哉さん主演でドラマ化される「教場(きょうじょう)」の原作小説を読んだので、あらすじを全話ネタバレとキャストを紹介します。
「教場」の原作は、「2013週刊文春ミステリーベスト10」1位「2014このミステリーがすごい」2位を誇る長岡弘樹さんのベストセラー小説で、ドラマ化は初めて。魅力的なエピソード満載の短編集。
「教場」とは警察学校の教室のことで、風間教官(木村拓哉)の謎めいたカリスマ鬼教官っぷりと、警察官を目指す生徒たちの葛藤・思惑・成長が描かれるストーリー。そのなかで起こる事件や犯人を風間教官が探偵並みに鮮やかに解き明かしてく結末は面白いです。
そんな「教場」のあらすじを全話ネタバレとキャストを紹介するので、ドラマや原作小説に興味ある人は参考になれば幸いです。
目次
●原作小説「教場1」第1話「職員」あらすじネタバレ
■1話「職員」登場人物
● 風間教官
● 平田(林遣都)
警察官の息子だが、転職を繰り返し最後のチャンスと思って警察学校に入ったがここでも落ちこぼれ。
● 宮坂(工藤阿須加)
優秀さを隠してる。風間教官に情報提供してるので「飼い犬」と揶揄される。警察官を目指した理由は、大学生で免許とりたての冬に車が事故で崖から落ちて死にそうなときに警察官に命を助けてもらったのがきっかけ。
警察学校では規則は厳しく体罰は当たり前。劣等生がいれば教官たちは「お前には無理だ」と追い詰める。
平田(林遣都)は職務質問の実習で下手だった。実は平田は何もやっても下手で、これまで職を転々として警察学校を最後のチャンスと決めていた。宮坂は平田よりもっと下手で、2人は落ちこぼれ同士の仲良しだがどっち先に退校するか学校中の噂だった。すでに4人が成績不良で依願退職していた。
平田の父親は駐在所の警官で、宮坂(工藤阿須加)は大学生で免許とりたての冬に車が崖から落ちて死にそうなときに命を助けてもらった恩があった。その縁で平田と宮坂はつるんでる。
しかし宮坂が本当は優秀なのにわざと下手なフリをしてることを見抜いていた風間教官(木村拓哉)は、その日に気付いたことを何でもいいから毎日報告させた。
そんななか平田が手錠をかける練習だと偽って、部屋で宮坂に手錠をかけベッドにくくりつけ監禁した。出来の悪いフリをする宮坂が自分を憐れんで見下してるようで嫌いだった。自信を失くしたのでおしまいにする。硫黄入りの入浴剤と酸性のトイレ洗剤を混ぜて、有毒ガス「硫化水素」を作って2人で無理心中をはかる。
そのとき風間教官が部屋の外から「お前の度胸を見せてみろ。やれ平田」とあおり、平田は入浴剤と洗剤を混ぜた。
しかし有毒ガスは発生せず無事だった。
生徒が入浴剤をこっそり持ち込んでること、トイレ洗剤が盗まれていたこと、を宮坂から報告うけた風間教官は、誰かが硫化水素を作ろうとしていると睨み、平田が隠し持っていたトイレ洗剤の中身を事前に水に変えていたから。
その後、平田はみんなに挨拶もなく警察学校を退校。一方、宮坂はどんな体罰も乗り越えていける覚悟ができた。
●原作小説「教場1」第2話「牢問(ろうもん)」あらすじネタバレ
※牢問とは、江戸時代に罪人に自白させた方法「石抱き」のこと。太ももに50kgの石を積み重ねて苦しめ自白させる。
■2話「牢問(ろうもん)」登場人物
● 風間教官
● 楠本しのぶ26才(大島優子)
元インテリアコーディネーターなので色覚に関する能力が高い。過去に最愛の人を亡くした事件の真相を警察学校で見つけてしまう。花粉症。
● 岸川沙織24才(葵わかな)
気弱で頼りなく体力にも自信がない自分を変えるため、警察官を目指す。
取り調べで自白させる方法は2つある。悪い警官(脅し役)と良い警官(なだめ役)の2人でなだめ役に気を許させ自白させる方法と、2人のうち1人が何か耳打ちするフリをして不安にさせ自白させる方法だ。
沙織は授業中にめまいで倒れた。最近、匿名で『むかしお前がやった悪事を知ってるぞ』という脅迫状が5通届き怖くて眠れず睡眠不足で体調不良だから。
沙織と親友のしのぶ(大島優子)は一緒に差出人を見つけようと励ますが、実は差出人はしのぶ。
そんななかしのぶが機械式の立体駐車場でパトカーをワックスがけの時、誰かに2mの高さから落とされ機械を操作されパレットに挟まれた。犯人は沙織で、護身用スプレーを顔面に吹きかけると逃げていったが、両足が機械に挟まれたまま5時間も気絶した。
脅迫状にしのぶが使っていた花粉症のミントの香りが残っていたので、沙織はしのぶが差出人だと気付いたのだ。
目覚めると風間教官と宮坂が助けにきたが、沙織と何があったか自白するまで助けない牢問となる。
2年前の5月、しのぶは婚約者の和馬が目の前でひき逃げされ死んだから、犯人逮捕するため警察学校に入ったら、沙織の写真の天気・車種・色が一致したので、脅迫状が「脅し役」で自分が「なだめ役」となり自白させるつもりだった。
しかし風間教官は間違いを見抜いた。沙織の車の色は見る角度によって色が変わる偏光性の塗料だから、しのぶの思い込みで人違いだった。
しのぶはやっと解放された。風間教官がすぐ助けなかった理由は、圧迫時間が4時間以上の場合は、すぐ助けると、圧迫によってドロドロになった血液が一気に体中を駆け巡って急死する場合があるからだった。
●原作小説「教場1」第4話「調達」あらすじネタバレ
■4話「調達」登場人物
● 風間教官
● 日下部准32才(三浦翔平)
嫁と3才の娘がいる。2年前に夢を諦めて引退した元プロボクサー。体力がある一方で学科が苦手すぎて成績は崖っぷち。
● 樫村卓実23才(なにわ男子/関西ジャニーズJr.西畑大吾)
人たらしな性格で、ルール違反して陰で物々交換を繰り返して何でも調達する「調達者」
● 警察官:尾崎賢(NON STYLE石田明)
寮兄。樫村の大学の先輩
ある日の夕方、校内施設でボヤが発生して備品が損壊。犯人が見つかるまで生徒たちへの締め付けが厳しくなった。
日下部(三浦翔平)と樫村(関西ジャニーズJr.西畑大吾)は練習交番で警備勤務。
日下部は現在32歳で嫁と3才の娘がいる。30才で引退した元プロボクサーだから実技は得意だが、学科が苦手すぎて成績は崖っぷちだ。また、規律に厳しく仲間の不正や違反を密告したがる性格でもある。
樫村は陰で物々交換を繰り返して調達する「調達者」と呼ばれている。日下部がそんな樫村の調達を密告しようとすると、樫村は成績が悪い足元を見て「学科の点数」を取引に持ち掛けた。
その後、学科の授業で日下部は、樫村が先輩期の学生から得たよく出る問題の答えを利用して、すらすら正解を答えることに成功。しかししかしその内容が「火のおこし方」についてだったのでボヤの犯人に疑われてしまう。
風間教官は、日下部が樫村から答えを教わったことを見抜き、樫村の大学の先輩・尾崎巡査部長が覚せい剤所持で逮捕された新聞記事を見せた。
ボヤの犯人は尾崎だった。小屋の台所で覚せい剤をあぶって使おうとして、誰かに見られて慌てて包みを燃やして逃げた結果、テーブルの一部が焦げてボヤ騒ぎになった。覚せい剤は樫村が3万円の報酬で調達したもので、つまり尾崎を無罪にするために日下部をスケープゴートにする罠にハメようとしていた。
●原作小説「教場1」第6話「背水」あらすじネタバレ
■「教場1」第6話「背水」
● 風間教官
● 都築耀太(つづき ようた)(味方良介)
成績優秀だが、ポーカーフェイス過ぎてクラスで浮いた存在。
● 春日部
● 宮坂
卒業まであと少しのある日、勉強時間を確保したい崖っぷち日下部が、事前に都築(味方良介)のマフラーを隠して、さも自分が見つけたように恩を売って、卒業文集を集める係をやるよう都築はハメられた。
その後、自分以外の卒業文がすべて集まったとき風間教官から、卒業文集を読んで練習交番で待ってろと指示された。
都築は成績トップクラスだが最近、誰が見ても体調が悪い。肩こりがひどく嘔吐感がありトイレに行く回数が多すぎる。風間教官によると、特に優秀だった学生ほど現場に出るのが怖くなり卒業間近に体調崩すという。逆に宮坂、楠本、日下部、由良などは修羅場や挫折を味わってるから、卒業を怖がってない。
そんな都築に風間教官は「あきらめろ。度胸がない者は使い物にならない」「辞めたくないなら、卒業までに納得させろ」と条件を出した。
都築は風間教官を納得させるべく拳銃検定で上級を獲得。職務質問コンテストも優勝して卒業生総代になった。総代として答辞を読むことは警察学校生にとって最大の名誉だ。卒業式の朝、式辞用紙を担当教官の元にもっていきワンフレーズの短い言葉を書いてもらうのが慣習だ。
しかし卒業式当日、卒業文の締め切りは9月10日なのに、都築は9月14日の拳銃検定の結果と18日の職務質問コンテストの結果を書いていたので、退校処分になる嘘や創作を風間教官に指摘される。だが、これを現実にしなければいけないという背水の陣で都築が自分を追い込んだことだと風間教官は見抜いた。
風間教官が書いたワンフレーズは
「吾能弭謗矣」(われよく謗りをとどめたり)「私は犯罪を防ぎとめることができた」という意味。
これから警察官になる生徒たちにぴったりの言葉だった。
●原作小説「教場2」第1話「背水」あらすじネタバレ
■「教場2」第1話「背水」登場人物
● 風間教官
● 桐沢篤
元医師27才
● 南原哲久(井之脇海)
拳銃マニアな趣味が高じて警察官を目指している。人当たりが良い肥満気味26才。手先が器用。
入校1か月後、手帳貸与式で生徒たちは警察手帳を受け取った。警察手帳は犯罪に悪用されやすいため厳重に保管が必要であり、紛失したら退校処分だ。
■寮の引っ越しで桐沢が警察手帳を紛失
ゴールデンウイークの連休最終日5月5日は、新しい寮への引っ越し作業。狭い通路で生徒同士がドタバタ右往左往する。
引っ越し1週間後、桐沢は引っ越しのドサクサの中で警察手帳を紛失したことを風間に報告。
桐沢は元医師。地域課一筋の巡査部長だった尊敬する祖父への憧れから警察官になりたがったが、弟が医者になる決心するまで父親の病院の跡を継ぐしかなく医師になっていた。医師である巡査は全国でおそらく自分1人だけ。その場で手当てすれば助かる命がきっとあるはずと考えている。
見どころがあると踏んだ風間は、警察手帳紛失をいったん不問に付し、捜索に手を貸す。一方、盗まれた可能性については、入校してから35日間、誰からも恨みを買った覚えはない。
■犯人は南原
射撃の訓練で、桐原は構えから下手だが、南原は撃ち方が見事で拳銃にやたら詳しかった。
風間は射撃練習場に桐沢と南原を残らせ「手帳の紛失について何か知らないか」と南原に尋ねる。お人よしな桐原は南原が知ってるはずないと庇うが・・・。
風間が「全員の家宅捜索しようか」と提案すると、南原は「知ってます。わたしが犯人です」と白状した。
その後、南原は入校前に拳銃を密造していたと白状。
■犯人・南原の正体
南原は桐原の元患者だった。桐原は父親がオーナー院長を務める繁華街に外れにある小さな「鳩川病院」で、内科の研修医として2年間働いた経歴をもつ。
2年前の深夜、南原は腕に鉄パイプが刺さり、外科には不慣れな内科医の桐原が傷を縫合した。手帳貸与式で南原を見かけて思い出した桐原が何度も話しかけたが、南原はずっと無視していた。
実は南原は当時、拳銃を密造しており、密造拳銃が暴発した際にできた傷だった。
外科の専門医が見たら創傷の原因がバレるリスクがあるから、夜間当番の場末の冴えない個人病院を選んだのだ。思惑通り桐沢は新米の内科医のため真相に気付かなかった。
しかし警察学校で再会したとき南原は焦った。法医学の授業が始まったら桐原は創傷の原因に気付く可能性がある。だから桐原を退校に追い込むために警察手帳を盗んだ。
■処分
南原が退校した。
●原作小説「教場2」第4話「敬慕(けいぼ)」あらすじネタバレ
■「教場2」第4話「敬慕(けいぼ)」登場人物
● 風間教官
● 菱沼羽津希(川口春奈)
クラス一の美人で自信過剰。
● 枝元佑奈(富田望生)
元女子レスリング選手。体が大きい。実家は老舗の旅館で金持ちだが後継者の兄が2か月前に死んだ。手話ができる。
菱沼羽津希(川口春奈)は警察官一族の生まれ。叔母はノンキャリアだが優秀で署長、親族数人も県警の幹部。おまけに美人なので自信過剰な性格なため、元レスリング選手で顔がモンゴル系の枝元佑奈(富田望生)を「個性的なキャラ」だと上から目線で見下していた。
■テレビ局のインタビュー
夕方のニュースで報道されるテレビ局のインタビューがあり、満場一致で菱沼が代表に選ばれた。菱沼は枝元に、横で通訳をしてもらうよう頼んだ。
インタビュー内容は
・授業は大変?➝柔道やってるから大丈夫
・楽しいことは?➝イベントがある
・辛いことは?➝志半ばで退校する仲間がいる
・担当教官はどんな人?➝経験を重ねたベテランです
・教官に対するあなたの気持ちは?➝尊敬しています
テレビ映りをチェックすると、意外にも枝元が菱沼より魅力的に輝ていた。これじゃわざわざ「引き立て役」を準備した意味がなくなる。
■退校届けを渡されショック
菱沼はオジサマ好きの「枯れ専」で風間のことが好き。
そのためインタビューで担当教官を「尊敬しています」と答えたとき、実は枝元に『好きです』の手話をしてもらっていたが、風間は見抜いていた。
風間は菱沼を呼び出して問題点を3つ挙げた。
その一.行動が身勝手で謙虚さに欠ける
その二.容姿外見にばかり気を取られ過ぎ
その三.仲間を尊敬できていない
風間は菱沼に退校届を渡し、1週間、言動をよく観察し、このまま学校にいてもらっては困ると判断した場合、名前を書いて提出してもらうと言い渡した。
菱沼はショックで放心状態。
職質の授業で風間に零点の評価を受け恥をかき、柔道で犯人役を演じると警察官役の枝元に突き飛ばされ、カエルのように畳にへばりついた無様な姿を風間の前で晒して惨め。
■枝元の幼稚園児救出劇
幼稚園児25人が警察学校の見学にきた。喧嘩を始めた園児を菱沼はどうにもできないが、枝元は上手に仲直りさせた。
さらに小屋の屋根に登って落ちた園児を枝元が助けたことが朝刊の記事になり、真面目に努力してる成績優秀な生徒であることも各紙で報道されヒーローに。
■県の広報誌の表紙モデル
「県が運営する施設からホープを紹介する」というテーマの、県の広報誌の表紙モデルを投票で決める。
中学高校も圧倒的だった自分が選ばれて当然とおもってる菱沼だったが結果は違った。
「菱沼16票、枝元18票」で枝元が選ばれた。菱沼は自分で自分の名前を書く恥ずかしい行為をしたのに負けて惨め。
■枝元の事情
しかし風間が「枝元は代表になれない」。表紙モデルは在校生という決まりだが、枝元は実家の旅館を継いで女将になる修行を積むため今月中に退校するという。
しかも枝元は1か月前から風間に伝えてあった。在校中は給料がもらえるが、実家はかなり金持ちなので金に困ってるわけではない。枝元がなぜすぐ退校しなかったのか不思議だ。警察官になる努力を続ける理由はなんだったのか?
■結末
2度目の投票で菱沼は代表モデルに選ばれたが、もうどうでもよかった。風間は枝元の退校を知っておきながら投票を実施し、菱沼は手ひどい目にあった。きっと懲罰のひとつだったのだろう。
風間「今回は大目に見よう。君の問題点のうち『その三』はどうやら解消できたようだからな」・・・実は菱沼が投票で枝元の名前を書いていたのを風間は知っていたのだ。
菱沼は枝元と2人だけのささやかな送別会を視聴覚室で開いた。2人で映った写真をスライド上映し、モチベーションを上げる方法は『褒められ日記』をつけることだと教えた。
インタビューのとき枝元が魅力的に映っていた理由は、瞳孔が開いていたからだった。意中の相手を目の前にしたドキドキしているときのと同じ目だ。これが枝元がギリギリまで学校にいた理由だった。
菱沼は「そんなに教官のことが好きだったのね、降参」と、餞別として白いハンカチをプレゼントした。
●原作小説「教場」エピローグ
手帳!
の号令で一斉に手帳を取り出している風間教場のみなさん👮♂️✨
この伏してる感じとか、角度とかなんだかカッコいいですよね〜❗️
そう思うの公式だけですかね?皆カッコいいですよね!?#風間教場 #木村拓哉 #風間教場 #ビシッとバシッと #制服もえ #2020新春 #二夜連続 pic.twitter.com/qXt37ldDM4— 【公式】「教場」60周年特別企画 (@kazamakyojo) 2019年7月13日
生徒たちが卒業から半年後、新しい学生たちが入校した。
風間教官はいきなり退校届を配り「初めに断っておくが、私は君たちを警察官にするつもりはない」と、危険の多さを語る。
すると柔道黒帯の生徒が自分は大丈夫だとパフォーマンスするが、風間教官が千枚通しでヤラれた義眼を外して見せると、生徒たちの顔色変わった。
しかし入校理由が警察官への憧れではない生徒がいたので理由を聞くと「文句があります。いろいろと」
風間教官は無意識に微笑んだ。
●まとめ
木村拓哉さん主演ドラマ「教場」のあらすじネタバレとキャストを紹介しました。
生徒たちは、警察学校で極限状態まで追い込まれ成長していきます。
風間教官の教場は緊張感たっぷりで、様々な思いを持った人間達の葛藤、思惑、成長が描かれます。
キャストが木村拓哉さんほか旬な俳優女優陣、原作がベストセラー小説というだけでなく、脚本は「踊る大捜査線」シリーズの君塚良一さん、演出は「プライド」など木村拓哉さん主演作を手掛けた中江功さんという、渾身のドラマです。
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