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田村正和さん主演のSPドラマ【十万分の一の偶然】が放送されるので、キャストと、あらすじの結末と犯人のトリックをネタバレします。ヤラセ
【十万分の一の偶然】の原作は、あの松本清張さんによる小説。今でいう「売名目的のヤラセ問題」をテーマにした社会派ミステリー。
山内(田村正和)の娘が玉突き事故で亡くなった。その瞬間を捉えた写真が「ニュース写真年間最優秀賞」に輝いたが、夜景を撮影しに行ったアマチュアカメラマン山鹿(高嶋政伸)が偶然撮ったという。「十万分の一の偶然」と絶賛されたが本当に偶然なのか?山内は娘が死んだ原因を探り犯人のトリックを解き明かしていく。
あらすじの結末と犯人のトリックをネタバレするので、SPドラマ【十万分の一の偶然】に興味ある人は参考になったら幸いです。
目次
●松本清張原作ドラマ「十万分の一の偶然」キャスト登場人物
まずはキャストを紹介します。主演の田村正和さんを始め、娘役に中谷美紀さん、事故の瞬間を撮影したアマチュアカメラマン役が高嶋政伸さん、そのバックにいる大物写真評論家役に伊東四朗さんなど、演技派が揃った豪華キャストとなっています!
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● フリーのルポライター山内 正平(田村正和)
家庭を顧みない仕事人間
● 山内の娘:明子(中谷美紀)
婚約したばかりで幸せだった
● 明子の婚約者:塚本 暁(小泉孝太郎)
NPOハートクローバー勤務
■「十万分の一の偶然」写真
● アマチュアカメラマン山鹿 恭一(高嶋政伸)
夜景を撮りに行って偶然事故を撮影
● 大物写真評論家:古家 庫之助(伊東四朗)
山鹿の写真を絶賛して賞を与えた
■山内の協力者
● 週刊誌の編集者:小泉 恵美子(松下由樹)
● 友人カメラマン越坂 奈月(若村麻由美)
● 刑事:岩瀬 厚一郎(内藤剛志)
■沼津の病院
● 看護師:布川 麻奈美(内山理名)
● 入院中の叔母:山内 恵子(岸本加世子)
肝移植ドナー待ちで沼津に入院中
●松本清張原作ドラマ「十万分の一の偶然」ネタバレあらすじ 犯人のトリックと結末
松本清張原作ドラマ「十万分の一の偶然」のネタバレあらすじ、犯人のトリックと結末を紹介します。
原作小説は、婚約者の男性が主人公で復讐心に満ちた行動が見どころでもありますが、ドラマの主人公は設定が変更され父親になっています。
「十万分の一の偶然」を捉えた事故写真は果たして本当に偶然なのか?ヤラセなのか?
■ネタバレ1 高速で玉突き事故
ある日、山内明子は、沼津で入院中の叔母のお見舞いに行くため、横浜から東名高速に乗り車を運転していた。
明子の前を走るファミリーカーには、名古屋の実家へ向かう宮川圭吾と嫁と子供2人。
さらにその前のライトバンは、水道工事の備品を扱うライトバンの米津安吉。静岡に納品のため急いでいた。
次の瞬間、先頭の12トントラックがいきなり横転して玉突き事故になり、明子は死んでしまう。
■ネタバレ2 十万分の一の偶然の写真
明子の父親・山内正平は海外で暮らす現地の家族を取材するフリーのルポライターだ。日本を離れモンゴルで取材していた。
そんななか娘の婚約者・塚本暁から電話で1カ月前に娘が交通事故で死んだと知る。塚本はずっと連絡していたのに、山内はずっと仕事に没頭して電話に出ていなかったのだ。すでに葬儀も終わっていた。山内はむかし嫁が死んだときも仕事にかまけていた。
山内は帰国の飛行機のなかで、隣の乗客が持っていた週刊誌から事故の写真を見る。「激突」というタイトルで娘の最期の瞬間を撮った写真だった。
アマチュアカメラマン山鹿恭一が夜景を撮りに行ったとき偶然撮れたということで大物写真評論家の古家が「十万分の一の偶然」だとこの写真を絶賛して「ニュース写真年間最優秀賞」に輝いていた。
大物写真評論家の古家と山内は、過去に仕事を巡り争った因縁があった。
15年前、嫁の死に目に会いに行かず写真を撮って書いたルポが、古家の圧力で出版停止になったのだ。ある国の内乱についての記事だったが、公になると日本との利害関係をこじらせる危険性があったからだ。
■ネタバレ3 生存者が「赤い火の玉」を目撃?
警察によると事故原因は不明。
急ブレーキをかけて横転した12トントラックの運転手は即死。高速道路なので目撃者もいない。シカやタヌキは出没しない場所で、天気は晴れで見晴らしが良かったので障害物をよけてとも考えにくい。
山内は山鹿の写真を手掛かりに、娘が死んだ事故原因を独自調査することにした。
山鹿恭一は受賞パーティーで、夜景を撮りに行ったからストロボを持参しなかったことで逆に良い写真が撮れたと、まるでストロボなしを強調してるみたいだった。
週刊スパークの小泉記者が「赤い火の玉は?」「唯一の生存者が見たと言ってる」「目がくらむほどの明るさだった」と質問。山鹿は「知らない」と答えたが一瞬顔色を変えたのを山内は見逃さなかった。
■ネタバレ4「赤い火の玉」の正体は?
「赤い火の玉」が事故と関係があるとしたら事故ではなく事件だが、警察は記憶の錯そうで信ぴょう性は低いと相手にしなかった。
唯一の生存者・ライトバンの米津安吉はまだ意識がなく昏睡状態だ。米津の嫁によるとうわごとで「赤い火の玉が・・・しっぽが・・・しっぽが・・・」と言ったあと気を失っていた。
火の玉はしっぽを引いて上に飛んでいった?
山内は事故現場に行ってみたが火の玉は見えなかった。それに山鹿は夜景を撮りに行ったと言ったが、現場に夜景などなかった。
「赤い火の玉」はストロボと関係あると考えた山内は、友人カメラマン越坂奈月に協力を頼み、スタジオで赤いストロボをたく実験をするとかなり眩しかった。
夜、高速道路を運転中にこの光を見たら誰だってブレーキを踏むだろう。
■ネタバレ5「うなじにホクロのある女」
山内は、山鹿がかつて所属していた写真クラブを訪ねて当時の作品を見せてもらったが、夜景や風景写真を撮る作風ではなかった。ただし「うなじにホクロのある女」との出会いがあったという証言を得る。
一方、受賞がきっかけで成功した山鹿はホクロの女とは違う令嬢にプロポーズしていた。
■ネタバレ6 唯一の生存者が意識回復
山内は「輸入雑貨商社のナガノ」だと正体を偽って山鹿に近づき、偽の商談をもちかける。
商談の日、鹿は約束の時間になっても現れなかった。
一方その頃、沼須に入院中の米津安吉が意識を回復したため、山内は塚本に面会待ちさせたが、その間に米津安吉は容体が急変して死亡してしまう。
するとそのあと遅れて山鹿が商談に現れた。
重要な証人が死んでしまっただけでなく、面会待ちでウロウロしていた塚本が犯人だと疑われ殺人容疑で逮捕されてしまい、山内は頭を抱える。
■ネタバレ7 布川看護師
山内は「ナガノ」として山鹿と親交を深めていく。
山鹿の自宅にも招かれ「激突」のほかの写真も見せてもらうと撮影時は娘が生きていたことが判明した。
山鹿の座右の銘は「チャンスは待つのではなく作るもの」であり、夜景については「夜景は見えません。いやゆる夜景ではなく、狙うのはまばらな明かりの点在する夜景。そこにドラマがある。風景の中にドラマを探す」と言っていた。
その後、友人カメラマン越坂が事故現場をCGで再現すると、事故当時の風速だと固定器具であるポールキャットが耐えらないことが判明し、ストロボ説が暗礁に乗り上げる。
諦めきれない山内は地元の新聞記事を調べ、事故の前後になにかヒントがないか探ると、事故現場付近で「UFOのミステリーサークル騒ぎ」があったと判明。
その報道写真の隅に偶然通りかかった女性が映っていた。なんとそれは沼津の病院の布川看護師であり、彼女はうなじにホクロがあった!山鹿と布川看護師は繋がってる?
山内の岩瀬刑事に調査結果を報告する。
病院の防犯カメラには、米津安吉の病室から去っていく看護師と医師の後ろ姿が映っていた。もしこれが布川看護師と医師に化けた山鹿だとしたら?山鹿が犯行後に東京の山内に会いに行っていたら高速に記録が残ってるはずだ。
布川看護師は3年前まで東京の病院勤務で、当時、山鹿が骨折で入院した記録があった。ここで2人は男女の関係になったのだろう。高速の記録もあったが、これだけだと犯行の証拠にはならない。
そして山鹿は令嬢と結婚&フランス転勤が決まった。このままだと3年は帰ってこない。
そんななか山内は子供がラジコンヘリで遊んでるのを見てピンときた。
■結末ネタバレ 犯人のトリック!
山内は山鹿に、地下に潜る若者たちの抗争現場の写真を撮れるチャンスがあると嘘の情報で呼び出した。
山鹿が三脚を立てて置いてたの見て、山内は糾弾を始めた。
事故現場の写真は偶然通りかかったにしては1枚もブレていなかった。それは三脚を立ててシャッターチャンスを待っていたからだ。
子供の頃ラジコン大会で何度か優勝経験のある山鹿は、ラジコンヘリに赤いセロハンつけたストロボつけて東名高速を飛ばして事故を引き起こした。「UFOのミステリーサークル」はラジコンヘリが着陸した跡だったのだ。
ストロボをたくタイミングは、車のETCカードを読み取れば自動的に発光できる。事故の前、山鹿は営業を装って運送会社を訪ねてETC情報を収集していた。コンピュータを専門に勉強した山鹿には可能な犯罪だ。
ただそれだけでは心配だったから、布川看護師をヘリ着陸跡に偵察に向かわせたのだ。
山内が「死んだ山内明子の父親だ」と正体を明かすと、山鹿は復讐で殺されると思って怯えるが、米津安吉をカリウム注入して殺したことも含めて自分が犯人だと認めるとナイフを取り出した。
山内の犯行動機は賞のため。面白い写真を撮れば審査委員長をやってる賞をやる、その代わり金をよこせと古家にそそのかされてやった犯行だった。
山鹿が山内を殺しにかかったので、見張っていた警察が突入して山鹿を逮捕。物的証拠がないから自供を引き出し、隠しカメラで録画して証拠とする作戦はみごと成功した!
その後、布川看護師も逮捕され自供、山鹿も全面自供。
7人が死んだ犯罪だった
・トラック運転手
・4人家族
・明子
・米津安吉
古家はワイロもらって賞を与えたのは濡れ布だと否定するが、山鹿の裁判のあと古家は殺人教唆で逮捕された。
★終わり
●松本清張原作ドラマ「十万分の一の偶然」感想
原作小説は1981年(昭和56年)に出版されてますが、売名目的のヤラセ報道という、現在でも通用する普遍的なテーマが描かれてるのはスゴイです。
現代のモバイル端末を連想させるコンピュータを駆使しトリックも、当時からの目の付け所、発想がすごい!
悪者を一掃して復讐が完結してラストを迎えますが、ヤラセのために殺された家族や被害者たちは気の毒です。一部の特権階級や金持ちのために下の人間が犠牲になるのは、今も変わらないですね・・・
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