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フジテレビの土曜ドラマ、大人の土ドラ【悪魔の弁護人】の原作となる、中山七里さんの小説・御子柴礼司シリーズ『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の、犯人黒幕ネタバレ解説します。
【悪魔の弁護人】というタイトルからして主人公の要潤さん演じる御子柴礼司弁護士がいかにも悪役のイメージがありますが、実は違う新しいタイプのダークヒーロー。
物語はどんでん返しのすえ犯人黒幕ネタバレとなりますが、ここでは単純にそれぞれの事件の犯人黒幕を順番にネタバレ解説していきます。
原作の『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の意味がわかったとき、物語に深みが増します。
※いきなり犯人黒幕ネタバレとなります※
目次
●ドラマ『悪魔の弁護人』の原作小説『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の犯人黒幕ネタバレ一覧
■加賀谷竜次の死体遺棄事件
【被害者】フリーライター加賀谷竜次
【容疑者】弁護士・御子柴礼司
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【犯人】脳性麻痺の東條幹也
■東條製材所トラック事故
【被害者】社長:東條彰一
➝事故扱い
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【犯人】工場主任の高城
【黒幕】社長夫人:東條美津子
■人工呼吸器が止まった医療事故
【被害者】社長:東條彰一
【容疑者】社長夫人:美津子
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【犯人】脳性麻痺の息子:東條幹也
【黒幕】社長夫人:東條美津子
■26年前の幼女バラバラ殺害事件
【犯人】死体配達人:園部信一郎141才
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医療少年院を出たあと御子柴礼司に改名。
●「東條製材所トラック事故」犯人黒幕ネタバレ解説
■彰一が脳挫傷になった事故は仕組まれたもの
トラックの荷台に積んであった木材を固定するワイヤーが切れて、彰一の頭上に木材が起きて脳挫傷になった事故は、仕組まれたものだった。
東條製材所の入り口は死角になっていて、トラックの出入りを確認するのは彰一の日課だったのを犯人と黒幕は知っていた。
実行犯は資材の積載時にチェックを入れていた工場主任の高城。黒幕の美津子とは2年前から不倫関係。
科捜研で調べた結果、ワイヤーの切断は金属疲労や過負荷が原因ではなく、犯人が刃物で切れ目を入れた痕跡が残っていた。
●「人工呼吸器が止まった医療事故」犯人黒幕ネタバレ解説
■彰一を殺した犯人は息子の幹也
人工呼吸器をデジタル制御するマイクロプロセッサーに、ケータイを使って電磁干渉して電源をOFFにして殺した。
集中治療室は非通話エリアだったが、幹也のケータイは会話するための道具なので美津子は持ち込みを許した。ケータイは圏外にあると基地局を探して最大出力で電磁波を放射する特性があり、幹也の携帯電話は古いタイプのため1ワット以上の出力があった。
見舞いに訪れるたび、幹也は美津子に隠れて人工呼吸器の通信ポートにケータイを密着させて電磁干渉させ続けた。そしてついにあの日、誤作動が起きて電源OFFに成功して殺すことができた。
電源OFFの赤ランプに気付いた美津子は慌てて、スイッチONするため電源ボタンを何度も押したが、彰一は死んだ。
■幹也が彰一を殺した動機
動機は多額の保険金。
彰一がもし死ななかったら要介護者が父息子2人になるし借金も返せず工場は潰れるハメになる。美津子が有罪になれば保険の規定で保険金はすべて幹也のモノになる。
■幹也が美津子に罪をかぶせた理由
美津子を憎んでるから。
薬物中毒だった美津子は、毒素をすべて息子に移して出産後は健康体に戻った。妊娠中の薬物の影響で幹也は脳性麻痺になったのだ。
美津子は息子の世話はせずずっと高城かヘルパーが行い、幹也に触れようともせず「こんな気味の悪いのはあたしの子じゃない」と言い続けていた。
電源スイッチを押した美津子は容疑者として裁判にかけられた。
■黒幕は美津子
幹也は全て自分で計画したと思ってるが、黒幕・美津子の思い通りに動かされただけの駒だった。美津子は幹也が彰一を殺そうとしてるのを知って、自分の都合のいいように物事が運ぶのを見守っていた。
医師から人工呼吸器は彰一の生命維持に重要だと何度も言われていたのに、幹也のケータイ持ち込みを許可し、幹也が人工呼吸器の通信ポートにケータイを密着させてるのを真横にいて黙って見ていた。
聞かずとも息子の考えを理解し、計画が成功するのをじっと待っていた。
電源OFFになって慌てたのも演技で、スイッチを押す圧力も3回ともきれいに同じ。監視カメラの映像にも、異常が起きてから美津子がずっと幹也を見てる様子が映っていた。
最高裁でいよいよとなったら「幹也が犯人」だと真相を暴露して自分は無罪になる計画だった。
最高裁まで裁判を引っ張った理由は憲法第39条の刑事訴訟法の大原則いわゆる一時不再理。有罪・無罪または免訴の判決が確定した事件については、再び審理をすることを許さないとする刑事訴訟の原則だ。
つまり最終判決で無罪を勝ち取ることができれば、2度と夫殺しを追及されずにすむ。トラック事故が殺人だとバレても罪を逃れることができる。
●加賀谷竜次死体遺棄事件の犯人ネタバレ解説
加賀谷竜次の死体を遺棄したのは、ストーリー冒頭にあるように御子柴礼司だが、殺した犯人は別にいた。
■犯人は幹也
凶器はフォークリフト。オートメーション化されてるので幹也は指先で操れる。
雨でずぶぬれの加賀谷が蛍光灯に接したフォークリフトに触れるよう誘導して感電死させた。
■加賀谷を殺した動機
幹也が彰一をケータイの電磁干渉で殺したことに気付いて強請りをかけてきたから。
■御子柴が遺体を片付けた
6月6日、御子柴は裁判の帰りに幹也からメールで呼ばれ、東條製材所に行くと加賀谷が倒れていた。落雷による自然死だと思った。
しかし警察に通報したら東條親子と御子柴の強請りネタが世間バレて裁判に不利になる可能性や、自分たちが容疑者にされる可能性もあるため、別の場所で死体遺棄した。
服を脱がした理由は、製材所を特定するオガクズが付着していたから。
つまり東條親子を守るためだった。まさか犯人と黒幕だとはその時は知らなかった。
●御子柴礼司が東條美津子を弁護した理由
国選弁護人を儲からないのに引き受けた理由は、渡瀬警部いわく「きっと自分が救われたかったんだろう」
●26年前の幼女バラバラ殺害事件の犯人ネタバレ解説
26年前の夏、福岡市郊外の郵便ポストにの上に、近所の佐原家の次女みどり5才の頭部が置かれた。翌日以降、ほかの部分が毎日1パーツずつ違う場所で見つかり、犯人は『死体配達人』と名付けられた。
犯人は14歳の少年・園部信一郎。動機は「誰でもいいから人を殺してみたかった」といい週刊誌は少年の顔写真と実名を公開した。
家族構成は父・母・御子柴・妹の4人。父親は被害者遺族から8000万円の慰謝料を請求され首つり自殺。母親と妹は夜逃げ同然で失踪した。
犯人・園部信一郎は少年院を出たあと御子柴礼司に改名。3年後20才で司法試験を一発合格して弁護士になった
●贖罪の奏鳴曲(ソナタ)の意味が深い
『幼女バラバラ殺害事件』の犯人・園部信一郎は医療少年院に入院。
教育担当の稲見教官が親代わりとなり、赤ん坊やり直すため名前も本名とは違う名前で呼ばれる。園部信一郎は特撮ヒーローからとって御子柴礼司という名前にした。
御子柴はここで2人と少年と出会った。嘘崎雷也は虚言癖だが弁護士志望、夏本次郎は身長180cm以上の大柄だが左肩先欠損で口がきけず臆病な性格。
■ピアノ奏鳴曲(ソナタ)
ある日、年に一度男女が集まる合唱会で、女子寮の院生・島津さゆりが弾くピアノ奏鳴曲(ソナタ)を聴いた御子柴は心が騒いだ。
矯正プログラムの一環で毎日弾いてるという島津さゆりのピアノを、御子柴は稲見教官に懇願して毎週土曜に聴くようになると、浄化されたかのように感情が呼び覚まされた。
すると自分が犯した罪の大きさに恐怖し、取り返しのつかないことをしたと後悔した。
■嘘崎雷也の死
そんななか母親をバカにした柿里教官に嘘崎雷也が飛び掛かり2週間の独房送り。処分明けに母親から手紙が届いたを読んだ嘘崎雷也は、舌を出したまま机から飛び降りて落下の衝撃で舌を噛み切って自殺した。手紙の内容は絶縁状だった。母親は再婚するのに雷也が邪魔だった。雷也は母親を守ってDV父親を殺していたので、母親から捨てられたショックは計り知れなかった。
■夏本次郎の死
その後、相棒を失った夏本次郎は、脱走計画に御子柴を誘った。
決行当日。トイレに行くと嘘ついて外に出たが稲見教官に見つかったので、御子柴が稲見教官にタックル、その隙に夏本次郎は炊事棟の屋根をつたって2.4mの金網フェンスを越えて脱走に成功したが、逃亡中1時間後に車にはねられて死んだ。御子柴は「自分が次郎を殺した」と苦悩した。
■稲見教官を半身不随に
稲見教官も、もみあいになったとき稲見教官がももに歯ブラシの柄を刺したせいで半身不随になったが偶発事故扱いにしてくれた。
■「謝罪するな。償え。」
稲見教官は御子柴にこう言った。
「後悔なんかするな。謝罪もするな。償え。(犯した罪の埋め合わせをしろ。別の人間を苦しみから救え)」「償いは義務ではなくまっとうな人間に戻る権利だ」
嘘崎雷也の弁護士志望を思い出した御子柴は、教官たちにバカにされながらも有り余る時間を勉強に費やし、20才で司法試験に一発合格して弁護士になった。
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そしていま御子柴は毎月15日、26年前に殺した佐原みどりの母親に100万円を送金している。
元教育教官・稲見武雄は、80近いが身寄りは誰もいないが特別養護老人ホームにいる。入所費用は御子柴が払っている。
★以上、【悪魔の弁護人】の原作「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」の犯人黒幕ネタバレ解説でした。
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