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ドラマ【悪魔の弁護人 贖罪の奏鳴曲(ソナタ)】の原作小説の1つ【恩讐の鎮魂曲(レクイエム)】の結末ネタバレを紹介します。今回は犯人が最初からわかってるので、黒幕・真相がポイントです。
悪魔の弁護人・御子柴礼司シリーズはどんでん返しの名手・中山七里さんの小説で、2020年1月にフジテレビの大人の土ドラで、キャストは要潤さんが弁護士役初挑戦でドラマ化されます。
法外な報酬を要求する凄腕悪徳弁護士の御子柴礼司は元少年A。その少年時代の教官・稲見が、老人ホームの介護士を殺した犯人として逮捕された。自白も証拠もあり有罪確実だが、恩師を救うため御子柴は弁護をもぎとる。事件の真相には、稲見と介護士の関係、介護士の過去など、奇妙な人間関係があり黒幕は・・・。今回は「緊急避難」がテーマです。
原作の登場人物、黒幕・真相を解き明かす原作あらすじ結末ネタバレを紹介するのでダークヒーロー御子柴礼司に興味ある人は参考になれば幸いです。
目次
●悪魔の弁護人【恩讐の鎮魂曲(レクイエム)】原作登場人物
● 悪魔の弁護人・御子柴礼司
どんな手段を使っても裁判に勝つ弁護士
■被告
● 栃野を殺した犯人・稲見
半身不随。御子柴の少年院時代の教官。栃野介護士の頭を花瓶で殴って殺した
■稲見の家族
● 稲見の娘・恭子
● 稲見の息子・武士
後藤清次を助けたせいで死んだ
■老人ホーム『伯楽園』
● 被害者・介護士の栃野守
稲見に花瓶で殴られて死んだ
● 入所者・後藤清次
● 入所者・小笠原栄
■ブルーオーシャン号事件(転覆事故)
● 被害者・日浦佳織
栃野に救命胴衣を奪われて死んだ
●悪魔の弁護人【恩讐の鎮魂曲(レクイエム)】原作小説読んだネタバレ
前回の裁判で津田美津子を無罪する過程で少年Aだったことがバレた御子柴礼司は、評判がガタ落ちして勝率9割の腕の良さがあっても依頼者が激減・・・事務所移転を余儀なくされた。
そんななか、少年院時代に贖罪の意味を教えてくれた恩人・稲見教官が殺人容疑で逮捕され、御子柴は汚い手を使って力尽くで弁護をもぎ取る。
■原作あらすじネタバレ 御子柴と稲見の関係
御子柴は罪の意識がまるでなかった14歳のとき、近所の5歳の少女・佐山みどりを殺してバラバラにし、マスコミは死体配達人と騒ぎ立てた。
両親に捨てられ医療少年院に入った御子柴は、教育担当の稲見が父親代わりとなり「後悔なんかするな。謝罪もするな。償え。(犯した罪の埋め合わせをしろ。別の人間を苦しみから救え)」「償いは義務ではなくまっとうな人間に戻る権利だ」と一生かけて贖罪することだと教えてくれた。
そして女子院生が弾くピアノソナタで感情を取り戻し、罪の重さを知った御子柴。
しかし脱走を助けた仲間が事故に死に、脱走の際に稲見の足を刺したことで、稲見は下半身不随の体になってしまったのだった。
御子柴は稲見から教わった贖罪の言葉を胸に、弁護士となり、殺した佐山みどりの親に毎月100万円を送り続けていた。
■原作あらすじネタバレ 稲見教官の殺人容疑
老人ホーム『伯楽園』に入所していた稲見は、介護士の栃野守の頭を花瓶で殴って殺した罪で逮捕された。
自白と目撃情報、現場の証拠から有罪は確実。稲見は有罪になって殺人を償いたいが、御子柴は恩人を無罪にするため奮闘する。
■原作あらすじネタバレ 裁判(第2回公判)
御子柴は老人ホーム『伯楽園』の介護士が入所者を虐待していることを見抜き、監視カメラの映像データを入手して虐待の証拠も示した。
栃野介護士は災厄そのもので、体の不自由な入所者に対して日常的に暴力をふるっていた。
日本の法律や世間というのは加害者に甘く、被害者やその遺族に厳しい。それは想像力が欠如しているからで、誰も自分が事件の当事者になるとは思っていない。だからどんな事件が起きても安全地帯の中でしか物事を考えることができない。
また御子柴は、入所者への聞き込みによって稲見たちグループが口裏を合わせていた嘘も見抜いた。
稲見の自白は「栃野とは普段から口論をしていた。事件当日も腹が立って食事のトレイを床に落とし、栃野が拾おうと屈んだときテーブルの花瓶で殴って殺した」
しかし実際は「栃野とは普段揉めてない。栃野が後藤を虐待したので窓際の花瓶で殴って殺した」という、後藤を虐待から守るため栃野を殺した。
しかし稲見は法廷で、被害者・介護士の栃野に対して明確な殺意あったと証言。自分の信条を変えるつもりの稲見に、弁護人の御子柴は苦労する。
■原作あらすじネタバレ 稲見が『伯楽園』に入った理由
稲見が老人ホーム『伯楽園』を選んだのは偶然ではなかった。月額費用はけっこう高く貯金で払うのは無理がある。
理由はただ一つ。後藤清次が入っていたから。
稲見は離婚後、息子の武士がサラリーマンになったとき、ホームに転落した老人を助けて電車にひかれて人身事故で死んだ。その老人が後藤だったのだ。葬儀に後藤が来ていたが恥ずかしくて声をかけなかった。
時が過ぎて老人ホームを考えるとき、『伯楽園』がテレビで特集された映像に後藤が映ってるのを見て入所を決めた。しかし稲見は『伯楽園』でも、後藤が認知症気味なこともあり武士の父親だと名乗らなった。息子と後藤のことは誰にも恥ずかしくて言ってない。
■原作あらすじネタバレ 被害者・栃野が殺した佳織の遺族
御子柴は名古屋のベッドタウンで陶器の街である多治見に行き、工房『ひうら陶苑』を訪ねる。ここは、ブルーオーシャン号事件(転覆事故)で栃野に殺されたとされる、1人娘・日浦佳織の実家だ。
佳織の父親は日浦頌栄。母親は栃野の無罪判決が出た2年前に子宮がんで死んだ。
ブルーオーシャン号の事件(転覆事故)では、栃野が佳織の救命胴衣を奪った映像によって栃野は逮捕されたがまさかの無罪。世間からも「緊急避難」として容認された。逆に佳織の遺族のほうが被害者ズラするなと世間から抗議されてしまった。
御子柴は、日浦夫婦以外に栃野を憎んでいた人物がいないか?日浦頌栄からアルバム写真を見せてもらった。
■原作あらすじネタバレ 裁判(第3回公判 最終弁論)
御子柴の主張によってこの裁判にマスコミの関心が高まった。ポイントは4つあった。
1.ブルーオーシャン事件以降皆無だった「緊急避難」を弁護の争点にしたことで、介護士殴打事件は世間の注目を浴びた。から。
2.さらにブルーオーシャン事件の被告人が今回の被害者だったため、因縁を感じる者も多かった。
3.老人ホーム『伯楽園』で虐待が常態化していた事実。
4.元少年A御子柴が、殺意を認めてる被告を無罪にできるのか?という疑問。
御子柴は、老人ホーム『伯楽園』で稲見グループの仲間である老婆・小笠原栄86才を弁護側証人に呼び、まずは稲見と口裏を合わせたことを認めさせる。
介護士の暴力はどこまでが介護でどこからが暴力があいまいで、最後の棲家を追い出されるわけでにもいかず、逆らえない環境にあった。
栃野はブルーオーシャン事件の被告だと自分から言いふらし「オレは人殺しだ」と脅して入所者たちを恐怖で支配していた。
その栃野が一番虐待していたのは、認知症で動きが遅く食べ物をこぼしていた後藤だった。後藤は骨粗鬆症を患っていたため、暴力が続けば重篤な事態になる予想があった。
御子柴は日浦の父親から預かった、日浦佳織の18歳当時のアルバム写真をモニターに映す。両親と母方の祖父母が一緒に映っており、なんと小笠原栄は佳織の祖母だと判明。
小笠原栄が孫を殺した介護士がいる老人ホーム『伯楽園』に入所したのは、偶然ではなかった。『伯楽園』がテレビで特集されたのを見て知って入所していた。
「後藤に暴力をふるう栃野を黙ってみていたのか?」「稲見に後藤を守ってくれと頼んだのか?」と質問すると、小笠原栄は消え入るような声で「記憶にございません」と答えた。
だがこれでいい。孫の仇を討つために稲見をたきつけたと、裁判員に印象づけることが出来たから。稲見の『緊急避難』が認定されることが御子柴の目的なのだから。
■原作あらすじネタバレ 求刑
矢野検察官は、殺人を主張して懲役15年を求刑した。
御子柴は、老人ホーム『伯楽園』の介護士と入所者の関係は、アウシュビッツ収容所のナチスとユダヤ囚人と同じ極限状態であり、第三者を助けるための緊急避難で殺意はなく、贖罪の念を抱いており、刑罰を与える意味はないと主張。
ひ弱な老人を助けようとして、結果的に獣を殺めてしまった無罪を主張した。
しかし稲見は、御子柴に感謝しつつ、殺意を認め罰を求めた。緊急避難で無罪になったら栃野と同じ獣になってしまうから。
あとは判決まちだ・・・
■原作あらすじネタバレ 黒幕と真相
老人ホーム『伯楽園』は介護保険法違反を問われ、半年間の新規受け入れ停止、半年の介護報酬2割減額。前原や漆沢など介護士たちはもちろん、角田施設長も処分の対象となり、経営母体の福祉法人は、入所者への補償、職員の総入れ替えを表明した。
御子柴は小笠原栄に会い、真相を聞き出す。
老人ホーム『伯楽園』に入所した理由は栃野への恨みだ。具体的な復讐方法はなかったが、常にチャンスを狙っていた。
小笠原栄は証言台で「記憶にございません」と言っていたが、本当は言っていた。
殺人の教唆もしてないし、栃野を憎いとも言ってないが、「あの人を守って」と稲見の『男子独特ヒーロー精神』を刺激するだけでよかった。初めて稲見を見たときから復讐の代行を託すと決めていた。
完全犯罪だが、これは法律違反ではない。CDラジカセからはモーツァルトのレクイエムが流れていた。
■原作あらすじネタバレ 判決と結末
判決は懲役6年。
緊急避難の要件は満たさないが過剰避難として減刑。裁判官は他人を救うための殺人犯を裁くのは初めてだという。
緊急避難の前例を作りたくないからだと憤慨する御子柴は控訴しようとするが、稲見は満足してるから控訴を断る。
稲見は、小笠原夫人が毎日自分に「後藤を守ってくれ」と吹き込んだことも知っていた。
テレビで放送された佳織の葬儀で流れていたモーツァルトのレクイエムは、小笠原夫人がいつも聴いてるのと同じだったため、顔も似ているし佳織の祖母ということも薄々気付いていた。
それでも小笠原夫人が黒幕ではなく復讐とは関係なく、後藤を守るために栃野を殺したという稲見。
「お前の贖罪の仕方と、俺に贖罪の仕方が違っていただけの話だ」
息子が守った命のため手を汚した稲見の自己犠牲、孫のため鬼に変貌した小笠原夫人という黒幕、どちらも法律の外にあり、稲見を救う法律はなく、小笠原夫人を罰する法律もない。
この裁判で御子柴は注目され、まっとうな上場企業から依頼がくるようになったのだった。
●悪魔の弁護人【恩讐の鎮魂曲(レクイエム)】原作小説読んだ感想
今回は小笠原栄がじつは黒幕だった?ということ以外、あまりどんでん返しはありませんでした。それよりも緊急避難が大きなテーマですね。
無罪にするためいくつも証拠をそろえた御子柴でしたが、頑なに罰を求める被告・稲見の信念の前には、思うようにはいかなかったですね。
老人ホームの介護士の虐待暴力はよくニュースでも報道されて社会問題だと思います。
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