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国民的漫画『サザエさん』に登場する磯野ワカメちゃんのモデル・長谷川たかこさんは現在、フランスでお洒落なパリ生活30年以上。
でも長谷川たかこさんはなぜ、日本でなくパリに住んでいるのでしょう?プロフィールや理由を探っていくと、きっかけは『サザエさん』の原作者で伯母の長谷川町子さんとの関係にありました。フランスが日本を比べて女性に優しいことも理由にあります。
漫画の磯野ワカメちゃんはしっかり者のイメージが強いですが、モデルの長谷川たかこさんの子供時代は、どちらかというとカツオ寄りだったとか。
そんな長谷川たかこさんですが、幼い頃に父親を亡くし、母親と叔母が不仲だったりもしましたが、結婚と離婚を経験し、現在は子供もいて元気に暮らしています。
それにしても庶民の小学生女子代表のようなワカメちゃんが、パリで暮らしてるとはびっくりです。
■長谷川たか子プロフィール(画像)
名前:長谷川たかこ
出身地:東京都
生年月日:1955年
年齢:現在62才
大学:上智大学フランス文学科
留学:フランスのソルボンヌ大学
職業:文筆家 現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。
趣味:映画、料理、デビッドボウイ
ブログ:http://frenchcodeblog01.blog107.fc2.com/
目次
●長谷川たか子はワカメちゃんのモデルだった
長谷川たかこさんは、サザエさんの作者・長谷川町子さんの姪です。
母親は三姉妹でした。
長女の毬子(まりこ)さんは、NHK朝ドラ「マー姉ちゃん」のモデルであり、のちに長谷川町子美術館の館長も務めた女性。
次女の町子さんは、ザエさんの作者・長谷川町子さん。
三女の洋子さんが、長谷川たかこさんの母親です。
■サザエさん作者と15年間暮らす
長谷川たかこさんが11才のとき、読売新聞社で働いていた父親の鹿島隆さんが35才の若さで死去。死因は癌でした。
父親の死去後は、母親の実家である長谷川家の敷地内でに住み、15年間、伯母の長谷川町子さんと過ごしました。
当時、伯母の長谷川町子さんは新聞でサザエさんの4コマ漫画を連載中で、朝からアトリエに閉じこもって次のアイデアを練っていました。
長谷川たかこさんが学校から帰宅すると、町子さんが2階の書斎から降りてきて、出来上がった数編のアイデアを家族に見せます。母親や妹が読んで「コレが一番面白い」と選んだものを仕上げるのでした。
自宅には社員もよる遅くまで出入りしたので、会社とアトリエのような家でした。
■ワカメちゃんのモデルに
伯母の長谷川町子さんは、おかっぱ頭の長谷川たかこさんをワカメちゃんのモデルにしました。
でも当時、谷川たかこさんは悪ガキだったので、中身はカツオのモデルになることも多かったです。
つまり見た目はワカメちゃんで、中身はカツオでした。
ちなみにサザエさんは今でいうミリオンセラーだったので伯母の長谷川町子さんはお金持ち。漫画のサザエさんは庶民的な暮らしですが、実際の生活は逆で裕福な家庭に育ったワカメちゃんでした
■絶縁
あるとき、母親の洋子さんは敷地内に新居を立てて母屋と繋げたのですが、姉の毬子さん町子さんは反対で不仲に。以降、洋子さんと町子さんは絶縁状態になったそうで、1992年に町子さんが死去したときも洋子さんには知らされなかったとか。
ちょっと寂しい話です。
●【ワカメちゃんのモデル】長谷川たか子 フランスのパリへ
伯母の長谷川町子さんは生涯独身で子供もいなかったので、姪っ子のたか子さんを溺愛してました。
たか子さんが13才のとき、長谷川町子さんは取材旅行でヨーロッパへ行くときも一緒に連れていってくれました。
その時回ったのは、ロンドン・ローマ・パリなどヨーロッパの都市部や、エジプト・イスラエル・ソ連など。
そのなかで長谷川たか子さんが強く惹かれ一番印象に残ったのが、フランスのパリでした。パリに恋したんです。
■大学でフランス文学を学ぶ
まずフランス語に興味を持った長谷川たか子さん。翻訳の仏文学を読むようになり、そのうち原文で読みたくなって、大学は上智大学フランス文学科に進学。
大学卒業後はさらに、アメリカのペンシルヴァニア大学での留学を経てパリのソルボンヌ大学に留学しました。
■旦那と結婚・離婚
23才のとき、日本人の旦那と結婚。
当時は、女性は結婚して子供を産むのが当たり前の時代。しかし不妊症と診断され、最終的に離婚します。
■反対を押し切ってフランスに移住
離婚後、家族の大反対を押し切って、知り合いゼロのパリに、文法しか知らないフランス語とスーツケースを持って行きました。
最初の数か月は、今も好きなサン・シェルピス広場の『カフェ・ド・ラ・メリー(区役所カフェ)』の近所の屋根裏部屋に住み、その後1年交際した彼氏は裏道に住んでいたそう。サバイバルな暮らしです。
そうして20代で「フランスに住む」夢を実現。1985年から現在までずっとフランスのパリで暮らしています。
その後、日本に帰国するのは数年に一度の頻度で、里帰りというより観光旅行になったほど。
●【ワカメちゃんのモデル】長谷川たか子 パリに住み続ける理由
長谷川たか子さんがパリに暮らす理由は、女性の暮らしやすさが大きいようです。
本「パリに住み続ける理由」のなかで、パリの良さやフランスの生活のしやすさをつづっています。
■フランス生活の良さ
■例えば
● 街角には流行がないけどなぜかお洒落
● ドケチだけど本当の贅沢を知ってる
● モノが少なすぎる一方、想像力が鍛えられる
● 仕事を美徳と思っていないから罪悪感なく遊んでる
● お金がすべてじゃないから、給料が減っても時間が大切だと言い切れる
● 日本のホテルは女性が荷物を運び、男性が掃除をするがフランスは逆で、女性に優しい
● 日本と比較して女性が生活しやすい
など
特に女性は出産しやすい環境が整っていて、産んだあとの仕事と育児の両立がしやすいです。保育施設など保育料も給料に応じて安く、職場復帰もしやすい。
フランスの産休は、産む前に6週間、産んだ後に10週間というように法律で16週間と決まっています。産休中に社員を解雇することは禁止で、産休明けは産休前と同じポストに戻れます。
父親も子供の誕生後4週間は解雇できません。日本と比較するフランスの従業員は守られています。
フランスでは『女性は産んだ後も働く』が普通で、これは経済的自立と、自分の能力が社会的に評価される喜びであり、旦那たちもそれが当たり前と思っています。
もちろん日本のほうが、外食の安さ・サービスの質の良さ・清潔さ(特にトイレ)など、フランスより良いところが沢山あるのも、長谷川たかこさんはわかっているうえで、フランスに住んでいます。
■風景がステキ
長谷川たかこさんがフランスで一番好きな風景は、ヴォージュ広場やセーヌ河岸の夜明け。最高の風景だと絶賛。
今日のパリは春の陽気🌸日が差して暖かくなると外に出て日向ぼっこをする人で、公園やカフェのテラスがいっぱいに!☀️@franceiine #ヴォージュ広場 #フランス旅行 pic.twitter.com/ZljwXpfRJJ
— パリ旅ステーション (@TabiStationFR) 2018年4月6日
パリのセーヌ河岸(フランス)-仏のユネスコ世界遺産の一つ。首都パリを流れるセーヌ川の川岸のうち、シュリー橋からイエナ橋までのおよそ8kmほどが登録対象。この地区には、ノートルダム大聖堂、エッフェル塔などの建築群が含まれる。 pic.twitter.com/NTQVnrc7gy
— 世界遺産への旅 (@sekaiisan09) 2018年5月4日
■一方で危険もある
フランスは日本と比べて治安が悪く、危険が日常茶飯事。
銀行ATMに行くと「東欧系子供スリ集団」に囲まれてカードが盗まれそうになったり、夜道を歩くと時間を聞くフリして時計を盗まれそうになったり・・・
アパルトマン(家具つきアパート)の1階と最上階は、強盗に入られるのが日常茶飯事だったり・・・
■本「ワカメちゃんのパリのふつうの生活」
長谷川たか子さんは、パリで生活する彼女ならではの、ガイドブックには載っていないパリ情報が満載の本「ワカメちゃんのパリのふつうの生活」も出版しています。
「東欧系子供スリ集団への注意」「ニセ日本レストランの見分け方」など役立つ情報から、パリジャンの口説き方や判別法など、独自の視点でパリが紹介されています。
●【ワカメちゃんのモデル】長谷川たか子の現在 結婚した旦那と子供
現在、長谷川たか子さんは20代で日本を飛び出してパリに住んでから30年以上経ちました。
パリ情報のウェブマガジン『フレンチ・コード』を主宰し、お気に入りの映画や旅情報など、フランス文化を日本に向けて発信する文筆家として活動。
子育て日記ブログ『長谷川たかこのパリのふつうの生活』も運営中。
■結婚した旦那と子供
長谷川たか子さんはフランスに住んでから、アニメプロダクション社長のフランス人の旦那アランさんと出会って再婚。
最初の日本人との結婚では、不妊症を診断されたはずが、現在の旦那とは子供2人を授かりました。本人は「病は気から」と言ってるので、よっぽどフランスの暮らしが合っていたみたい。
現在、旦那と子供2人、大好きな猫2匹と、楽しく幸せに暮らしています。
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