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半沢直樹2続編「銀翼のイカロス」のあらすじは、半沢直樹は経営破綻寸前の帝国航空の再建を命じられますが、民政党の白井亜希子大臣が立ち上げた再生タスクフォースが銀行に債権放棄を迫り、対立します。
このことから、帝国航空の実在モデルは明らかにJAL(日本航空)で、白井亜希子大臣の再生タスクフォースのモデルは明らかに2009年の政権交代後の民主党であるといわれてます。
そこで「銀翼のイカロス」に登場する帝国航空、進政党の政権交代、白井亜希子国交大臣と再生タスクフォース、箕部啓治議員について解説するとともに、それぞれの実在モデルも紹介します。
目次
半沢直樹2続編【銀翼のイカロス】帝国航空の実在モデル企業
■帝国航空とは?
帝国航空は、半官半民の国策会社から始まり完全民営化した会社で、今期も500億円の大赤字の見通し。
しかし社員は厚待遇のままで危機感がありません。
リストラをしようとしても、7つの従業員組合がそれぞれ利害を主張して反対。企業年金の減額はOBが反対するなど、様々がしがらみが邪魔して業績は悪化する一方です。
■帝国航空の実在モデル企業は?
帝国航空の実在モデル企業は、明らかに「JAL(日本航空)」だといわれてます。
JAL(日本航空)は国策会社として海外路線を独占してましたが、自由化によってその利益を失っていき経営破綻しました。
経営破綻の原因はいくつもあります。
● 官僚的な経営体質
● 経営陣のお家騒動、激化する派閥抗争
● 粉飾決算
● 複数の労働組合の反発
● 社員はほとんどコネ入社で危機感がなく高給が当たり前
● 自民党政権との癒着による不採算路線進出(採算の見込みのない地方路線)
● アメリカから大型機体の大量購入
● 投資の失敗。ホテルや関連企業を増やして総合サービスで競争力強化を図ったが、採算性の見通しが甘かった。
経営が悪化していく一方、こういったしがらみから再建が進まず、2010年1月に経営破綻し、会社更生法の申請しました。
半沢直樹2続編【銀翼のイカロス】進政党の実在モデルは?
■進政党とは?
帝国航空は、半沢直樹チームの修正再建案を最初は拒否しますが、500億円出資をあてにしていた東京中央商事から断られ困った神谷社長は、修正再生案を受け入れると決めます。
その矢先、憲民党から進政党に政権交代。
■進政党の実在モデルは?
進政党の実在モデルは明らかに2009年に政権交代を果たしたときの「民主党」だといわれてます。
政権交代といえば民主党ですね。
【#今日は何の日】自民党が初めて衆院の第1党の座から転落した日です。2009年8月30日、総選挙の投開票があり、自民党は歴史的な大敗。民主党が単独過半数を獲得し、政権交代を果たしました。当時の首相は、麻生太郎氏でした。(📷:時事通信) pic.twitter.com/4cF7wSqZOD
— BuzzFeed Japan News (@BFJNews) August 29, 2017
帝国航空がにっちもさっちもいかなくなり、自民党政権下のもと国土交通省は2009年8月に有識者委員会を設置。銀行も入っての再建案を作りました。
その矢先、自民党から民主党に政権交代。
半沢直樹2続編【銀翼のイカロス】白井大臣と再生タスクフォースの実在モデルは?
■白井大臣と再生タスクフォースとは?
白井亜希子は、30代半ばの元人気女子アナ議員。
国土交通大臣に就任するとすぐ、憲民党の有識者会議で承認された帝国航空の修正再建プランを白紙撤回し、公的資金は注入しないというクレイジーな爆弾発言とともに有識者会議は解散させます。
得意げな表情で、企業再生の専門家による白井直属の再建検討チーム【帝国航空再生タスクフォース】を立ち上げました。
銀行団に一律70%の債権放棄させ大幅赤字を脱したあと3年目で大幅黒時に転ずるという唖然茫然のシナリオを描きます。
東京中央銀行は500億円もの債権放棄を求められますが、半沢直樹は債権放棄しなくても自主再建は可能だと主張して対立します。
↓こちら白井大臣役の女優・江口のりこさん。
■白井大臣の実在モデル人物は?
白井亜希子大臣の実在モデル人物は、前原誠司国土交通大臣をメインに、その部下の辻元清美副大臣、同じ民主党の蓮舫さんをミックスされたものと思われます。
● 前原国交大臣は、政権交代後すぐ自民党の有識者会議を廃止して大臣直属の私的再生検討チーム「JAL再生タスクフォース」を立ち上げて、JALにに乗り込み、銀行には再建放棄を迫っているところが同じ。
タスクフォースは法的根拠を持たない私的チームなのに、その費用10億円余りをJALに負担させてるのも同じ。
債権放棄を要求された銀行が拒否したのも同じ。
● 甲高い声でけんか腰の女性というキャラは、副大臣の辻元清美さんをモデルにしてると思われます。
● 金持ちのお嬢さまで、テレビの世界で人気女子アナとしてキャリアを積み、政権交代の波に乗って大臣に登りつめた華やかな経歴は、民主党の蓮舫さんをモデルにしてると思われます。
半沢直樹2続編【銀翼のイカロス】大物政治家・箕部啓治の実在モデル人物
■箕部啓治とは?
箕部啓治は、派閥議員たちとともに憲民党を離党して進政党を旗揚げした大物議員で、白井大臣の後ろ盾。
また、重大な金銭スキャンダルを抱えています。
■箕部啓治の実在モデル人物は?
箕部啓治の実在モデル人物は、明らかに小沢一郎さんだといわれてます。
小沢一郎自由党代表:
~自立した国民、自立した国家~
『その時々、国民の意思で政権を選択、それが政治に緊張を与える。先の選挙では、2009年の政権交代時と比べ20%も棄権者が出た。国民の意思による政権交代、そこに国民はまだ慣れていない。』
政経ホーラム12/7 pic.twitter.com/9stqYOuk0I— hasebe (@lovemeters) December 9, 2016
小沢一郎さんは2003年、旧社会党議員と反自民党議員が1998年に結成した「民主党」に参加。
その後、民主党は2009年8月末の衆議院選挙で自民党に圧勝して政権交代を実現。
しかし小沢一郎さんは2009年3月に秘書が建設会社から違法献金を受け取って逮捕・起訴されるスキャンダルが起きたため、総理大臣になるチャンスを逃しました。
半沢直樹2続編【銀翼のイカロス】現実のJAL再建の結末ネタバレ
現実のJAL再建の結末ネタバレはどうなったのでしょう?
現実のJAL再建は、民主党の前原国交大臣の再生タスクフォースはほとんど役割を果たすことが出来ず解散。
政府と金融機関が出資して設立した「企業再生支援機構」があとを引き継ぎ、2010年1月に会社更生法を申請し、前原国交大臣と親しい京セラの稲盛和夫名誉会長がCEOに就任して再建が進められました。
● これまで重視してなかった個別の路線収支の把握の重要性を徹底。
● 幹部を中心に経営感覚の向上を図ることをセミナーで意識改革
● 効率の悪い大型機を売却し、中型機メインの編成に大幅転換
● 関連会社も次々と売却
● 希望退職を数回にわたり募集
● 残った社員の給与をANAより2割低い水準に下げ能力給に
● パイロットのハイヤー送迎を廃止
● 「企業再生支援機構」が労働組合との交渉に一役買った
● 年金を大幅にカット(現役50%カット、OB30%カット)
こうした徹底した再建努力の結果、2010年3月期が1337億円の営業赤字だったのが、2年後の2012年3月期に2049億円の営業黒字にV字回復を遂げ、再上場を果たしました。
■銀行はどうなった?
「半沢直樹 銀翼のイカロス」では半沢直樹は「債権放棄しなくても再建できる」と主張してます。
現実のJAL再建でも銀行団は債権放棄を拒否しましたが、最終的に法的処理に伴い90%近い債権放棄(5215億円)を余儀なくされました。
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